1/700軍港情景基本セット 軍港ジオラマ製作記








紙創り(開発製造) 静岡模型協同組合(販売)1/700 

今回ご紹介させていただくのは、1/700軍港ジオラマです。 キットは「1/700軍港情景基本セット」というもので、AFVや鉄道模型の分野ですでに有名な『紙創り』さんが開発され、静岡模型協同組合(ウォーターラインシリ−ズ)の名義で販売されている、紙製の建物とMDF製の埠頭パーツとアクリル波板をマテリアルに使用したものです。この製品は、2009年に発売されました。

今回は、このキットをベースに、静岡模型協同組合のクレーンセット、タグボートセット、そして同時期に発売された、タカラトミーの艤装工場地帯セットのパーツの単品買いの追加、最後にジャンクパーツのカッターや汽艇を大量に追加して密度を出しました。





軍港ジオラマ全景です。埠頭は厚みのあるMDF製パーツ。建物やクレーンのトラス類はペーパー製です。埠頭およびクレーンのレイアウトはキットのままで建物の配置のみを変えました。ベースおよびアクリルケースは、HIGH-GEARedがアドバイザーを務めております、Wing&RailModelsに製作して頂き、黒色アクリルを箱組したベースで若干のかさ上げをしました。丈夫に仕上がっているので輸送の際も安心です。(軍港用ケースをお探しの方は、トップページのメールフォームよりお問い合わせください)



ペーパー製の50〜150トン起重機です。塗装することで、紙とは思えないほどに重厚に仕上がります。レーザーで切りぬきと罫書きを行う事で窓枠なども美しくエッジの効いた仕上がりとなり、接着も水性クラフトボンドで容易に行えます。



圧巻はこの工場内部です。無数のトラスと内部のクレーンも美しく抜きあがり、かつ簡単に組み上げることができます。内部が丸見えになるので、内火艇の格納庫という設定で、内部にジャンクパーツの1/700内火艇を無数に配置しました。



ガントリークレーンもペーパー製です。このようなクレーンは初の製品化ではないかと思われます。説明書には組み立て順序や注意点が分かりやすく解説されていて扱いやすくなっています。 なお、画像では模型映えを優先してドッグ内に蒼龍1941を配置しておりますが、艦載機を飛行甲板上に並べた状態でドッグインするというシチュエーションはなかなか考えにくいので、あくまでフィクションの設定であることを御承知ください。



50〜150トン起重機の左奥に見える建物の足場の精密さには心を奪われます。自動車とコンテナおよび、一部の建物はタカラトミーの「艤装工場地帯セット」のパーツをランナー買いして追加しました。



こちらも、建物の一部はタカラトミーのプラ製です。壁の薄さや面とエッジなど、建築模型的な美しさはペーパー製の方に分があります。一方、タカラトミーの製品は、塗装が全て済んだ状態でキット化されている点と、紙ではどうしても再現できない自動車やタンクなどの三次元形状のものが非常に役立ちます。



蒸気機関車と貨車もタカラトミーの製品です。線路はエバーグリーンの「コの字」形状のプラ材を使用しました。中央部が持ち上がっているのが若干不自然ですが、レールがないよりはよさそうです。



一方、こちらはペーパー製工場の組み立て途中の様子です。トラスとクレーンはもちろん、内部壁面左右のクレーンレールまでが再現されているのには本当に驚かされます。窓も細かく抜けており、紙という素材の新たな可能性を感じさせてくれる逸品です。



水面は「かがみ状」のアクリル製です。海面プレート、埠頭ともに、接着は木工用ボンドで行いました。木工用ボンドは水性で弱いと思われがちですが、接着面を広めにとる事で樹脂でも案外丈夫に接着できます。しかも弾力があるので衝撃に強く、失敗したときは水ではがせるので、このような模型には結構便利です。



建物を配置してバランスを見ます。これはキットの指定ほぼそのままの配置です。



一部の建物は内部の様子が良く見えるので、短艇置き場と仮定して、内部にカッターと汽艇を多数配置し、輸送用の線路も挽きました。



短艇はこれまで製作してきたキットのジャンクパーツの寄せ集めです。全部で120艘程度を製作しました。



その他の小型舟艇は主にタグボートセットのものです。その他、このジオラマのために特設給油艦「極東丸」「13号駆潜艇」「第一号型哨戒特務艇」を製作しました。これらは、後ほど紹介させていただきます。


**総括**


HIGH-GEARedが本格的(?)に軍港を作るのは実は2回目の事で、小学生のころに作ったものを除いて、これまでには2004年に一度完成させたものがあります。
↓↓↓
 http://nabeck.web.fc2.com/gunko.htm

当時はまだ「軍港」というはっきりしたテーマでのキットは発売されておらず、静岡模型協同組合からリリースされているクレーンと工場のセットや、ピットロードから建物キットとして発売されていた軍需工場や飛行機格納庫などの汎用品を組み合わせて製作したのですが、当時発売されていた部材と当時の自身の腕ではなかなか納得のいく完成度が得られず「いつかは本格的な軍港ジオラマを作りたい」という思いを長年持ち続けることになりました。

それだけに、静模からの軍港キットがリリースされると聞いたときは、待っていた時代の到来と、胸を躍らせたものです。

また、昨年の静岡ホビーショーで見た、タカラトミーの技MIXシリーズの艤装工場やポンツーンなど、必要なアクセサリーが次々と揃う様子をみて「いよいよその時が来た!」と実感しました。

静模の軍港キットは埠頭がMDFで切り出されているので、レイアウトに迷うことはありませんでしたが、建物の内部が丸見えなのと、広場が多いので「内部や隙間をどうやって埋めるか?」が課題でした。

静模キットの良いところは建物が紙製なので、壁面の肉厚が非常に薄く、内部を再現してもスケール的に無理がないところです。しかし、キットの構成が板パーツばかりなので、それだけだとタンクや車両などの表現はできません。

タカラトミーの技MIXの艤装工場地帯セットは、塗装済みキットであることと、当時の写真(おそらくは赤城の三段甲板と長門を上空から撮影した画像)を解析して作られているこもあって、画像で見る限りでは大変シャープな印象を受けるのですが、現実には建物パーツの合いには少々難があり、(おそらくは設計ミスだと思われますが)加工しないと正しく直方体にならない建物もあります。 塗装も少々大味でしたので、全部塗装しなおしました。

その反面、自動車などのアクセサリーの完成度は素晴らしく、これはランナーから切り取るだけで使用できます。 以前は1/700で自動車を手に入れようと思ったら、現用タイプの輸送艦キットに付属してるものを手に入れるくらいしか方法がなかったので、タカラトミーからのパーツ化は画期的と言えると思います。

今回の軍港ジオラマは、それぞれのキットおよびメーカーの良いところを引き出す完成度を目指して製作したのですが、奈良模型愛好会第三回展示会および静岡模型ショーモデラーズクラブ合同展示会におきましては、各メーカー担当者およびモデラーの皆様、そして一般のお客様に大変ご好評いただき、話題を提供させて頂いた事を喜ばしく思っております。

また、静岡におきましてはこのキットの製造元である「紙創り」代表様と交流させていただく機会が発生し、このような趣旨の製品の普及に向けて、力を合わせていきましょうというお話をさせて頂くこととなりました。(お話の中で、HIGH-GEARedの前職と同業で、しかもお互いの会社間でよく取引をしていた方だという事が分かり、大阪の産業模型業界の話題や私も以前扱っていたレーザーの技術的なお話などもさせて頂きました。世の中の狭さを実感します)

そうしたご縁もございましたので、静岡ホビーショー限定販売となりました、「紙創りがご提案する1/350艦船の情景」の「40トン起重機」の方も、近々当サイトにて紹介させて頂きたいと思います。 軍港ジオラマに興味のある方はご期待くださいませ。

紙創りさんのサイトはこちら
↓↓↓
 http://www.kamizukuri.jp/



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