2010年5月3〜4日 戦艦三笠ミュージアムへの旅








もう1隻の戦艦三笠

HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!におきましては、2001年8月の記念艦三笠初訪問のレポートを皮切りに、2005年7月から2007年8月までにかけて、ほぼ定期的に艦船にまつわる旅行を行い、旅行記にまとめて参りましたが、2008年以降は自身の生活事情や個人的な都合もあって、なかなかそれまでどおりの旅行を行う事ができず、旅行記も長らく更新する事ができませんでした。

それまで定期的に訪れていた横浜、横須賀、お台場を再訪問したい思いもありましたが、新たに訪れたいスポットもいくつか現れたので、今後機会があればまた精力的にレポートを行っていきたいと考えています。

そして、2年半余りの空白を経て今回の旅行先に決定したのは、2009年7月に石川県加賀市にオープンしたばかりの「日本元気劇場」です。

日本元気劇場は、劇場型エンターテインメントテーマパークで、主に「江戸時代」「海軍」「忍者」のみっつのカテゴリーをコンセプトにしたアトラクションや劇場が設けられ、日本海海戦時を再現した実物大の戦艦三笠が「戦艦三笠ミュージアム」として公開されるなど、2010年5月現在、歴史ファンの間で大きな話題を呼んでいます。

戦艦三笠といえば、横須賀に実艦が保存されている事もあり、HIGH-GEARedも過去に4度にわたって訪問してきていますが、横須賀の三笠は一度米軍に接収された際に上部構造物を失い、その後復元されたという経緯もあり、実艦の構造とは変わってしまった部分も多いため、考証に忠実に作られたという加賀の三笠ミュージアムは、三笠を愛する者として、ぜひとも訪れておきたいと思いました。

今回の旅行の移動手段ですが、艦船関係の旅としては2001年以来の愛車でのドライブ旅行となりました。

ちなみにHIGH-GEARedが現在所有している愛車のMR2は、2001年に個人売買で購入したもので、今思えば、2001年の横須賀の三笠訪問の旅が、この車での初の遠出でした。

つまり、この車での艦船の旅は、9年ぶり二回目となるのですが、9年ものブランクがあったにも関わらず、二回目の旅も再びの三笠訪問で、しかも別の場所に作られた三笠が目的地というのは、本当に不思議な縁という気がしてなりません。

この旅行記のトップにも掲載していますが、愛車と三笠の縁を象徴するようなツーショットも撮影することができて、大変意義深い旅となりました。





今回の旅は、ゴールデンウイークの只中ということで、長い渋滞が予想されました。ホテルのチェックインは午後4時に予約していたのですが、渋滞情報を見るに、大阪周りで片道5時間程度が予想されたため、午前9時に自宅を出発しました。画像は自宅から徒歩1分の平城宮跡内の様子ですが、現在は平城遷都1300年祭が開催されていて、大変なにぎわいを見せています。この日は七〇〇〇〇人の人出があったそうです。(右側に見えている朱塗りの塀が、大極殿の周りの塀です)



東大阪で同伴者のみやきさんを乗せ、石切から阪神高速→東大阪JCTから近畿自動車道→門真JCTで第二京阪道に乗りました。門真市は、昨年までHIGH-GEARedが住んでいた場所で、今年開通したばかりの第二京阪道も工事の様子を毎日見ていました。懐かしさを感じつつ、出来たばかりの新しい道を行きます。



その後、久御山JCTでしばらく渋滞につかまった後、京滋バイパスへ合流し、瀬田東から名神高速道路に乗りました。渋滞にかかる前に、草津PAで休憩しつつ、昼食にしました。



弁当はみやきさんの手作りです。メニューは玄米の握り飯に、鶏のから揚げ、玉子焼き、ウインナーとプチトマトです。



昼食を終えると、名神高速道路を延々と進み、米原ジャンクションで北陸自動車道に入りました。米原ジャンクション近辺では再び渋滞に遭遇しましたが、北陸自動車道に入ると流れは比較的スムーズで、賤ヶ岳サービスエリアで二度目の休憩をとりました。



賤ヶ岳サービスエリアの名物「よもぎソフトクリーム」です。抹茶アイスなどとはまた違った優しい甘さのソフトクリームでした。この日は5月上旬とは思えない炎天下で、エアコンを全開にしていても、ソフトクリームのような冷菓を無視する事はできません。 この時点で、時計は3時を過ぎようとしていたため、ホテルにはチェックインが遅れる旨を連絡しなくてはなりませんでした。 時間にはある程度余裕を持っていたつもりが、計画性の甘さを露呈する事になってしまいました。


その後、宿のある小松インターを出たのは午後5時半くらいでした。ゴールデンウイーク中ということもあって、街中は混雑しているかと思いきや、意外なほど閑散としていました。インターからホテルまでは1時間程度の走行時間を覚悟していたのですが、割と簡単に着きました。一度、道を間違えて小松駅前に出てしまったりもしましたが、無事に「アパホテル小松」にチェックインを完了しました。 



宿泊プランは駐車場コミのプランにしていたのですが、HIGH-GEARed AW11はホテル内のエレベーター式の立体駐車場に入れないため(おそらく車高の問題と思われます)近隣の一般駐車場に案内されました。チェックインを済ませ、まずは夕食をとりに出かけました。駅前には商店街もショッピングセンターもあるのですが、どこも早めに店じまいをしてしまったようで、これといった店をなかなか見つけることができませんでした。 

結局、タクシー乗り場にあった、この海鮮屋さん「日本海庄や」に入る事にしました。 店には同じく店を捜し歩いた結果、ここにたどり着いたと思われる人々でごったがえし、順番待ちをしなくてはならない状態でした。待ち時間に、同じく車で小松を訪れたというカップルと話す機会があったのですが、彼らも関西(京都)から来られたということで、短い時間ですが目的地などの話題で盛り上がりました。 



ほどなくして席(個室)に案内されました。せっかく日本海側に来たのだから、ここは海鮮を食べない手はありません。写真のお刺身御膳は¥1200程度のメニューです。大阪でしたら、この内容なら\3000くらいは取られそうな勢いです(笑) 魚はどれもすごく新鮮で、これだけのボリュームにも関わらず、腹にもたれることもありません。 材料の違いって重要なんだなと思い知らされる思いでした。



こちらは「じゃがチー」です。メニューにある写真がおいしそうだったので注文しました。ジャーマンポテトに明太子のソースが乗ったものです。この店には他にもオリジナリティあふれる創作料理がたくさんありました。また小松を訪れた際には立ち寄りたいお店です。



食事を終えてアパホテルに戻ると風呂に入る時間になっていました。風呂はアパホテルの向かいにある「小松グランドホテル」の天然温泉を使用することができたので、そちらの大浴場を利用しました。 

アパホテル自体は、2006年の横浜の関内と、昨年白川郷を訪れた旅行(HP未公開)の際の富山駅前と2回利用しているので安心感があったのですが、今回の小松のアパホテルでは少々不便な事態に遭遇しました。

まず、サニタリー用品として歯ブラシが揃ってなかったので、フロントで請求しなくてはいけませんでした。また、ユニットバスの電灯が切れていて、従業員を呼んで交換してもらわねばなりませんでした。続いて、エアコンの温度調整ができず、季節外れの夏日の夜中だったこともあって部屋が灼熱地獄のようになって眠れず、フロントに電話をかけたところ「ただいま、全部屋暖房中ですので、暑い時は窓を開けてください」との返答。しかたがないので指示に従いましたが、連休中とあって、深夜に外で騒いでいる人も多く、騒音に悩まされる夜になりました。

これまでの旅の経験から、アパホテルにはそれなりに信頼感を持っていたのですが、今回の旅で少々その信頼が揺らぎました。とはいえ、アパホテル小松は市内の他のアパホテルと比較して料金がひとまわり以上安い設定で、セミダブルで駐車場コミ、朝食コミ、天然温泉大浴場使用可能で一泊\7500(二人)という格安料金ですので文句も言えません(笑) 

しかし、市内のホテルや旅館が全て一か月以上前から旅行会社に押さえられていたのに対し、このホテルのみ予約が残っていた理由がわかりました。 やはり快適は安くではなかなか得られないものだと実感させられます。

4年前に新橋で泊まったホテルほどではないですが、旅も数をこなせば失敗もあるものだなと思わされました(笑)



翌朝、起床時間は朝8時に設定していました。夜はあまり寝られませんでしたが、三笠ミュージアムへの期待のためか?前日の疲れはあまり感じておりません。チェックアウトは午後12時まで延長可能ということで、のんびりしていても良かったのですが、せっかくの旅ですのではやめに行動を開始します。



朝食はパンと野菜のバイキングです。コーヒーと麦茶、オレンジジュースも飲み放題です。昨夜の部屋での滞在時には多少の不満もありましたが、ワンランク上のホテルの大浴場が使用でき、このようにパンの食べ放題ができると思うと、価格の割に贅沢しているな〜と気持ちも和らぎいできました。 朝食を終えると、いよいよ三笠ミュージアムへ出発です。



駐車場は、ホテルから歩いて5分ほどの場所にあります。ホテルで清算券を受け取ったので、駐車場代は無料です。駐車場内はあまり車がなくガランとしていました。小松から日本元気劇場までは20キロほどの道のりがありますが、道の少ない土地とあって、それほど迷うことなく現地に到着する事ができました。



ゲートで入場料を払い、駐車場に入ると、そこに現れたのは原寸大の戦艦三笠です!ゲート外からも見える最も目立つ場所に巨大な船体が鎮座していました。



横須賀の三笠は陸上からだと左舷側が見えますが、三笠ミュージアムの三笠は右舷側をメインに作りこんであります。こうしてみると、同じ実物大の三笠を別の場所で見るという事が改めて不思議に思われます(笑) 寸法などは横須賀の三笠から計測して作られているそうですが、不思議と放つオーラはまた違って見えます。塗装も、横須賀のものよりこちらの方が暗いトーンで仕上げられているように思われました。



三笠乗艦は別料金となり、また昼食の時間も近づいていたことから、まずは日本元気劇場の他の施設を見て回ることにしました。 場内は、主に江戸の街並みを再現した劇場街から成り立っています。



日本元気劇場のコンセプトは、とにもかくにも「元気!」この派手な看板からも、そうした雰囲気が伝わってきます。スタッフもみんな笑顔で気さくに対応してくれて、気持ちのいいところです。



場内は劇場や時代物のアトラクションが豊富ですが、自然も豊かで、その作りはさながら博覧会場の日本庭園のようです。



場内には花も豊富に咲いています。関西と比べると、開花時期も少し遅いため、もう一度春の訪れを楽しむ事ができました。



当日は好天に恵まれ、ゴールデンウイーク中とあって多くの観光客でにぎわっていました。



昼食会場はたくさんありましたが、HIGH-GEARedとしてはやはり「海軍食堂」を外すことはできません。席の確保も難しく、待ち時間も相当長くなりましたが、なんとか席の確保に成功しました。



店内の様子。自動販売機で食券を買い、カウンターからの呼び出しを待つシステムです。



店内には三笠や海軍にまつわる写真やポスターが所せましと飾られていました。



こちら当日注文した「三笠カレー」です。海軍カレーも地域や店によって様々ですが、ここの海軍カレーは比較的ノーマルなカレーでした。しかしライスの上に立てられた旗が旭日旗というところはさすがだなと思わされます(笑)



そしてこちらは「東郷カレー」。 こちらは東郷元帥が生み出したといわれる、肉じゃが付きになります。じゃがいもが柔らかく煮込まれていて、非常に美味でした。三笠カレー、東郷カレーともに牛乳付きで、東郷カレーには東郷元帥の写真シールも付属していました。(三笠カレーにも付属している模様ですが、当日は売り切れたのか?付属しませんでした)



店内からは、難破した北前船を模した劇場も見ることができます。また、店内では海軍の軍歌が流されており、「海ゆかば」を聴きながらカレーを食べ、北前船を眺めるという非日常の体験が可能です。(笑)



日本元気劇場内の劇場は、有料のところがメインですが、中には無料のステージもあります。お昼時には、日本元気劇場の3体のマスコットキャラがキッズを相手に撮影会を行っていました。右から、元気ボーイ、みかさロボ、ピコちゃんです。 3体とも、キャラのイメージがバラバラでなかなかに興味深いです。 ピコちゃんのゆるさが個人的に気に入りました(笑)



場内の池を一周する屋形船。一人\400で乗船可能です。少々待ち時間がありましたが、せっかくの機会なので乗船してみることにしました。



船内の様子。天井の裏側まで木材でよく作りこまれています。



屋形船全景。動力は船外機で推進とかじ取りを同時に行う仕組みでした。



某ねこ型ロボットによる屋形船の紹介。著作権が気になるものにはついついカメラを向けてしまいます(笑)



貸しボートは5分間で一人\200です。こちらも待ち時間が必要でしたが、せっかくですので乗ってみました。手漕ぎボートは実は初体験だったのですが、何の違和感もなく最初の人漕ぎから乗りこなすことができました。実際にやってみたことはなくても原理が分かっていることと、映画やビデオなどで漕いでいるシーンを何度も見ていたので、それらの成果が出たのかな?と思っています。



ボートを降りた後は、場内を散策。ここでは現在人気の坂本竜馬にまつわる劇が催されているようです。



休憩所には、払い下げられたと思われる公共の乗り物が何台かありました。これは、ねこバスをイメージしてモディファイされたボンネットバスです。



内部は現役当時の雰囲気がそのまま残されていました。こういうレトロなバスって結構好きです。



休憩所を抜けると、その先は忍者にまつわるアトラクションがたくさん用意されていました。忍者といえば、HIGH-GEARedは車で1時間ほどで伊賀忍者の里に行くことができるので、以前はよく訪れていました。



忍者博物館は入館無料です。これは忍具の中では非常に有名は「みずぐも」です。水の上を歩く道具と思われがちですが、もちろんそんなことはできるはずがありません。



実際には、このように使うようです。堀を泳いで渡るときに武器などを載せておく筏として使用するのが本来の目的だということです。(泳いでいる忍者の必死の表情がツボでした)



忍者が使う刀や手裏剣。忍者ファンにはたまらないスポットですね。



忍者博物館の外には、吊り橋がありました。下に見える池は、さきほど屋形船と手漕ぎボートで航行した池です。



池には橋が二つあります。こちらは、江戸時代を思わせる安定した形の橋です。画像には映っていませんが、裏側は相当に太い木材が使用されていました。



場内の雰囲気も満喫したところで、再びゲートの方に戻り、三笠ミュージアムを目指します。時計はすでに午後4時近くを差していました。 場内の全アトラクションを回るとなると、朝一で訪れても少し厳しいかもしれません。 想像以上に見どころ豊富な場所で感心しました。 三笠ミュージアムの入場料金は大人一人で\800です。



三笠ミュージアムに入って、まず最初に目に入ってくるのは、この内火艇です。坂の上の雲のロケ撮影で、秋山真之が戦艦三笠に乗り込む場面で使用されました。 もともと、この船は舞鶴湾内の人員輸送および作業船として建造され、大型船の係船補助に使用されていたそうです。総重量は12.5トン、全長は13メートルあります。



右舷側の様子。船体は木造でしょうか?舷側に細かい継ぎ目が見えます。



船尾の様子。スクリューシャフトと舵の様子が「本物の船」であることを物語っています。防舷物は、ロープ状のもので、実物の構造を見る初めての機会となりました。



左舷側は、階段と通路が用意されていて、甲板上および構造物を見ることができる仕組みになっていました。構造物側面にはリベットがびっしり打たれ、FRP船にはない当時の船舶独特の重厚な雰囲気を見せてくれます。



ラッパ型通風塔の様子。模型では良く見る光景ですが、実物大を見る機会はなかなかありません。この船が海上を航行している姿も見てみたくなりました。ドラマでの登場が待ち遠しいです。



煙突も、リベットで組み上げられています。タービンもない時代ですので、機関は蒸気往復機関と思われます。



舷灯も改めて見る機会は少なめです。ジャッキステーの高さもこうして見るとかなり低いのが分かります。内火艇の画像は以上です。



そして今度は原寸大の戦艦三笠です。三笠ミュージアムの三笠の大きな特徴は、横須賀の三笠においては失われてしまった鋼板継ぎ目のリベット類がしっかりと再現されていることです。



画面を後部に向けてパンニングしていきます。この時代の艦船で特徴的なアンカーベッドの様子。



そのまま後ろにカメラを向けていくと、第一主砲塔と艦橋が見えます。



この角度ですと、船尾が省略されている事は、さほどは気になりません。



マストの様子。横須賀の三笠は前部マストの下のヤードの位置が低く長めですが、三笠ミュージアムでは前後ともに同じ長さと位置に揃えてあります。



これは懐かしの2006年横須賀訪問時の写真です。前部マスト(奥側)のヤードの位置と長さがかなり異なるのがお分かり頂けると思います。



副砲と舷側の様子。舷側にリベットがびっしり打たれている点と、解放された砲口が大変印象的です。こうした表現により、坂の上の雲では実感あふれる戦闘シーンに期待できそうです。



ちなみにこちらは横須賀の三笠の舷側です。副砲の砲口は閉じられ、リベットも失われてしまっています。以前に劇場公開された「日本海大海戦」や「海ゆかば」では、実艦の三笠を使用して撮影が行われましたが、発砲シーンが砲口を閉鎖した状態で行われていたため、若干不自然な点がありました、その点、三笠ミュージアムの三笠では、実艦での復元が及ばなかった点も綿密に再現されています。



舷側ディティールのアップです。リベットや補強板はもちろんですが、舷窓の保護棒や雨どいなど、実物の船の構造を徹底的に模してあります。質感の重さでは、尾道の「男たちの大和ロケセット」を上回る完成度を見せていると感じております。



特長的なベルマウス後部の凹んだ部分も実感的に処理されています。



ちなみにこれは横須賀の三笠の同じ部分です。(比較しやすいように画像を反転しました)



船首菊花紋章の色合いは、残念ながらいかにも塗装という雰囲気でした。この点は、横須賀の三笠の方が実感的です



横須賀の三笠の紋章の様子。艦内には日本海海戦当時の紋章も展示されています。



しかしそれにしてもこの舷窓の処理はすごすぎます。たまに建築関係で、このような船舶用の舷窓の埋め込み例をみかけますが、ひとつ取り付けるだけでも膨大な予算を必要としますので、無数にある三笠の舷窓を実物と同じように仕上げるには、相当の予算と労力が必要だと思われます。



これは三笠ミュージアムの三笠の船首前に置かれていた、戦艦三笠乗組員の石川県出身者の集合写真です。若くして命を落とした彼らは家庭を持つことができず、子孫もほとんど残っておられないそうです。



これは同じく三笠の前に展示されていた新聞記事を掲載したパネルです。観光客誘致や歴史の再発見を目的として企画されたそうです。



これは坂の上の雲の撮影風景を撮影した展示パネル。豪華キャスト三人とHIGH-GEARedも記念撮影を行いました。



アンカーベッドにはストックアンカーが2本。ここまで作りこまれていれば、どの角度から撮影しても一切のスキがありません。ちなみに坂の上の雲にはどこのシーンかはわかりませんが、ストックレスアンカーが出てくるシーンがあるようで、実物が売店に展示されていました。



キャプスタンと錨鎖導板の様子。柵が設けられていて、残念ながらこれより前には進めませんでした。



船首側から艦橋と第一主砲塔を臨みます。



主砲身内部には、発射の際の火柱と砲煙を再現する仕掛けが施されていました。こういう演出という面でも、ある意味実艦をしのいでいると言えそうです。



フェアリーダーの様子。叩いてみたところ、FRP製で中空のようでしたが、しっかりと塗装されていて、一見鉄の塊のようです。甲板の木材は、残念ながら尾道の大和セットと同様に、薄いものが使用されているようで、実艦のようなしっかり感はありませんでしたが、画面上では気にならないレベルだと思われます。



これはボラードです。なるほど、ボラードってこんなにリベットがたくさん打たれているものなんですね。戦艦大和の潜水調査の映像を見たことがあるのですが、大和のものには上面に穴が開けられていました。(爆風対策ということです)



構造物壁面の表現も抜かりはありません、ここにもリベットと補強板と実感的な舷窓があり、ジャッキステーを取り付ける金具まで再現されています。



続いて、中央構造物のあるあたりに進んでみました。ラッパ型の缶室吸気口は、カバーを外した状態を再現してあります。日本海海戦の時には、カバーは外されていたという説が有力ですので、そのシーンに合わせた設定だと思われます。



ちなみにこちらは横須賀の三笠の缶室吸気口です。こちらはカバーが取り付けられた状態を再現してあります。(最後部のもののみ、カバー付きで、これはハセガワの1/350キットと同じ表現です) 煙突のジャッキステーも、日本海海戦時にはなかったといわれており、三笠ミュージアムの三笠もそのように再現されています。



これは中央から艦橋の後部を見上げた様子です。フライングデッキ裏面の補強は実艦よりは少なめでした。また、見学者の安全対策課?手摺は一部、目の細かいものが増設されています。



これは艦橋下部の司令塔です。実艦では分厚い装甲に囲まれていて、司令官は戦闘時にここで指揮を執るわけですが、東郷長官は視界の悪い司令塔に入ることを拒み、露天の艦橋で指揮を執り続けた逸話は有名ですね。



司令塔の内部。何が足りないかと言われたら、天井が足りません(妙に明るいと思いました(笑))しかし雰囲気はとても良くできています。壁面は内部が空洞のようでしたが、実艦通りの分厚い壁が表現されていました。



艦橋基部に装備されていた76mm補助砲です。画像で子供が動かしている様子からもわかるように、結構軽々と動きます。



こちらは横須賀の三笠の同じ部分です。この砲はレプリカではなく、他の軍艦から降ろされたものを復元に合わせて積み込んだものだそうです。ちなみに横須賀の三笠は、司令塔のある甲板の木材は撤去されています。



再び三笠ミュージアムの画像に戻ります。これは日本海軍ではすっかりお馴染みの9mカッターです。カバーがかけられていて詳細は分らなかったのですが、舷側の継ぎ目などを見ても、とてもリアルに作りこまれています。



中央構造物後部のラッパ型通風塔の様子。



こうして見ると、ラッパ型通風塔の鉄板の継ぎ目の仕組みがとてもよくわかります。三笠ミュージアムの三笠はこれより後ろは再現されておらず、ここからの順路は船首部分に戻るコースになります。



短艇甲板全景。ボートダビッドのロープのかけ方など、これらも普段はあまり見ることのできない貴重な資料になります。



煙突の様子。日本海海戦時の考証に合わせてジャッキステーはありません。蒸気捨管も立体感溢れる表現です。



横須賀の三笠の煙突をほぼ同じ角度で撮影した画像(2005年訪問時)です。黄海海戦時に存在したとみられるジャッキステーが取り付けられています。マストのヤードの位置や長さ、見張り台の形状なども異なります。



艦橋をフライングデッキ左側より臨みます。天蓋の指揮所には残念ながら入れなくなっていました。手摺は目の細かいものが二重に張られており、安全のためには仕方のないことですが、少々実感を損ねているので、劇中では取り外されていることを期待したいです。



横須賀の三笠をほぼ同じ角度でみるとこのようになります。横須賀の三笠も手摺は3段にするなど、若干の安全対策が施されています。指揮所にも上がることができるので、東郷元帥ごっこをやるには、横須賀の三笠がお勧めです(笑)



艦橋から後ろを臨むと、三笠ミュージアムの三笠は後部艦橋から後ろがないことが分かります。



フライングデッキから艦首を見ると、第一主砲塔が見えます。砲塔上部のシャッターは、砲身の交換用のもので、横須賀の三笠では残念ながら再現されていませんでした。この部分の再現度は、三笠ミュージアムに軍配が上がります。



こちらは横須賀の三笠。砲塔上部のシャッターが省略されているのが分かります。



艦橋内部の様子。木張りでシックなないそうです。



こちらは横須賀の三笠の様子。内部もほぼ同じ構成になっています。



右舷側の砲甲板の様子。こうして見ると、木甲板の継ぎ目が若干わざとらしくも見えるかもしれません。



横須賀の三笠の砲甲板。テーブルと長椅子が雰囲気を壊していますが、内側の補強と言い、カッチリした木製甲板と言い、やはりここは本物のみが持つオーラにはかないません。年月が経て初めて生まれる味わいという点でも、実艦の方の雰囲気が勝っています。



こちらは三笠ミュージアムの三笠です。本物にはかなわないとはいえ、こちらもかなりの完成度です。特にこのような砲は位置から作り上げるのは相当な労力と情熱を必要とするのではないでしょうか? 残したいと思う人の情熱、往年の姿を作り上げたいと思う人の情熱、三笠を愛する人々の情熱はそれぞれ違いますが、この日の三笠ミュージアムの観光客の多さもあいまって、この戦艦がこれほどまでに多くの人々に愛されていることを実感し、同じ三笠ファンとしてHIGH-GEARedもとてもうれしい気持ちになりました。



煙突基部の構造物は横須賀の三笠ではビデオ上映室になっていますが、三笠ミュージアムでは実艦同余の純然たる構造物に仕上げられています。煙突の側面だけに相当な熱害を受けそうな場所ですが、実艦ではここでいったい何が行われていたのでしょう?



三笠の左舷側の船体部分はくりぬかれたようになっており、坂の上の雲の撮影で使用された他艦のセットの一部が公開されていました。



この画像はニコライ1世の主砲身です。セット前には、撮影中のメイキング画像が掲載されており、巡洋艦筑紫、戦艦定遠、そしてこのニコライ1世のシーンが同じセットを造り変えつつ撮影されたものであることが理解できます。 



そして、これは破壊されたニコライ1世のセットの様子。当時の敵艦とはいえ、ここまで破壊された戦艦の姿を見るのは心苦しいものがあります。



三笠の乗艦時間は夕方5時までなのですが、乗艦時間が終わったあとは「元気劇場」ならではの演劇の時間が待っていました。三笠甲板上において、4部構成で日本海海戦での勝利までの舞台劇が繰り広げられます。艦上では日本海海戦での有名なエピソードが次々と再現され、「敷島艦行進曲」「軍艦行進曲」などのお馴染みの行進曲をBGMに、ストーリーが進展します。



劇中には、三笠が主砲を発射するシーンもあります。先ほど紹介したしかけによるもののようですが、想像以上の爆音と火柱、砲煙で大迫力でした。



秋山参謀「長官!武士の情けであります。発砲をやめてください!」
東郷長官「降伏すっとなら、そぉ船を停止せんにゃならん。みやんせ、ニコライはまだ前進すっちょなかか」



三笠艦上劇が終了すると、いよいよ日本元気劇場は閉場の時間となり、お開きになります。駐車場におかれた車もまばらになったところで、最後に三笠のとなりに愛車を並べ、記念撮影を行いました。MR2と三笠という、なんともアンバランスなツーショットですが、これこそHIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!の世界を表現した写真とも言えます。

この旅行記の最初にも書きましたように、愛車のHIGH-GEARed AW11と戦艦三笠とは、何か不思議な縁というか?共通する波長を持っていて引かれ合っているいる気がしてなりません。

HIGH-GEARed AW11との生活もそろそろ10年目に差し掛かろうとしていますが、ロングドライブとはいえ、再び楽しい思い出を作ることができたことに感謝しています。

そして、戦艦三笠と日本海軍への思い入れと情熱を新たにして、これからもサイトや展示会をご覧いただいている皆様に楽しんでいただける作品作りを目指して参りたいと思います。

それでは、また次の旅行記をお楽しみに。



おまけ画像その1 帰りにサービスエリアで食べたとんかつ弁当。帰りは奇跡的にSAラッシュの隙をついて食事をとることができました。しかし、渋滞自体はやはり回避できずに帰宅は結局午前2時頃になります。



そこで、夜食として途中でまんじゅうをゲットしました。今回の旅の同伴者のみやきさんが買ったものを分けていただきました。味は正統派でボリューム満点、おかげで帰宅まで集中力を切らさずに安全運転ができました。 


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