4月13日 鈴鹿サーキット フォルツァ・フェラーリ 見学オフ



Ferrari、それはAW11をはじめとするミッドシップスポーツファンはもちろん、車好きを自称するカーマニア
にとってそれは特別な意味を持つもののひとつと思います。

世間一般の市販スポーツカーには、メーカーがコンペティションの世界から得た経験とノウハウが凝縮されて
製作され、メーカーはそうした競技の世界での経験と宣伝能力を市販車に反映すべく、多大な投資と情熱を持
って各種カテゴリーのレースに参戦し、実績を残そうと力を尽くすのです。

しかし、こんな世の自動車業界の風潮の中でたったひとつだけ、市販車とコンペティションの世界の結びつ
きの発想が違うメーカーがあります。それがエンツォ・フェラーリが半世紀に及ぶレース活動から世界のト
ップスポーツカーメーカーにまで仕上げたFERRARI社です。

世の自動車メーカーが、自社の市販車の利益を高めるべくレースに参戦するのとは異なり、FERRARIは最初か
らF-1、そしてル・マン等のレース活動に参戦し、勝つための資金源として高性能な市販車を開発し続けてき
ました。

本格的なレーシングコンストラクターが開発する車であるからには、コンペティションの世界で活躍するマ
シンと同様のスペックが求められ、FERRARIの市販車にはそれが惜しげも無く注がれています。そして、数
々のレース活動で手中におさめてきた勝利の記録が、FERRARIの市販車のパフォーマンスが最高であると証
明してくれます。

しかしながら、実際のレーシングマシンと同様のスペックを持った市販車は当然のように非常に高価なもの
で、我々一般大衆の手にとどくものではありません。世界のごく一部に限られた「人生の成功者」だけが手
に入れることができる価値のあるものだという「夢」であり、数々のレース活動のタイトルを総ナメにして
きた「神話性」も、このFERRARIのカリスマと言えるでしょう。

HIGH-GEARedにとっても幼い頃から車好きとして、やはりこのFERRARIは特別なものでした。遠くから見つめ
るだけで、一生触れることのできない、1種の夢として存在しつづけ、そして夢としてのみ、最後まで存在
しつづけるものだと考えていました。

しかし、人と人との繋がりというものは大変奇妙なもので一昨年、商売上の縁でひとりのフェラーリオーナ
ーの方と交流ができました。彼はフェラーリ・テスタロッサのオーナーの方でこれまで何度も雑誌にとりあ
げられ、テレビ出演もはたしているFERRARIオーナーの有名人です。

今回のイベントは、鈴鹿サーキットにおいてフェラーリクラブオブジャパンによって主催され、一般のモー
ターファンもパドックパスを購入してピットに展示されたFERRARIの新車、レーシングカー、デモカー、そ
してクラシックカーなどを自由に見学できるものでしたが、今回はこの方の案内でたくさんのフェラーリオ
ーナーのお友達やフェラーリショップの方々をご紹介して頂き、間近で本物のフェラーリに触れる機会をも
与えてもらいました。



参加者名
車種
ボディカラー
HIGH-GEARed
AW11
ホワイト
funada
AW11
ホワイト
ムラシマムラ
HIGH-GEARed AW11横乗り
白銀黒
案内人GOにいちゃんさん
testarossaでは不参加
ロッソコルサ
その他FERRARIオーナーの皆様
F40 348 F355 360modena etc
赤または黄




パドック裏駐車場に集合する参加車両

当日は、案内人のGOにいちゃんさんが仕事の都合のために愛車での参加ができなくなり、新幹線でこられるとの
ことで、鈴鹿サーキットピット裏のパドックで午前11時頃に待ち合わせとなり、HIGH-GEARedと参加者のムラシ
マムラさん、funadaさんと3人で午前9時に木津に集合の後、大内インターを経由して一路鈴鹿へ出発しました。

ちなみにムラシマムラさんのAW11はエンジンマウント破損の為、今回はHIGH-GEARed AW11の横乗り参加です。

11時を少し過ぎた頃に鈴鹿に到着、パドック裏駐車場に到着したのですが、GOにいちゃんさんは食事中という
ことだったので、待ち時間の間駐車場のFERRARIをみてまわりました。今回で3回目となるこのイベントは、150
台くらいが参加し、駐車場は真っ赤に染まって圧巻です。 しかし、ピエロ・フェラーリ氏やニキ・ラウダ氏が
参加した前回、前々回はこの倍以上の台数が集まったというから驚かされます。
それでは、とても全部は紹介できませんが、駐車場で見た中から 何台か見てみましょう。



これは328のチューニングなどでとても有名なアライ板金のF40です。2002年のTipo フェラーリ増刊号に掲載
されてました。当時はまだパテ盛り製作途中の写真しか見れなかったのですが、今ここでこうして本物が拝
めるだなんて夢にも思いませんでした。フロントのボンネットはミケロット製のF40LM用のものがベースです
が、それにさらにインテークとアウトレットが追加されています。リアウイングもLMのもので、ターボはF40
GT仕様、クァンタム車高調、フルピロクロモリアームなど、そのスペックはとても書ききれません。



こちらはLMルックの348GTBです。固定ヘッドライトはワンオフでしょうか?室内のロールバーやトランスフ
ックなどを見ると、ベースはチャレンジ車両かもしれません。チャレンジ車両としてポピュラーな(?)
F355や360モデナチャレンジと違って348チャレンジは国内ではかなり貴重だそうです。しかもカフェレー
サーではなくて本気の走り仕様!やはりFERARRIには走りの雰囲気が似合います。



こちらは比較的ノーマルストラダーレの面影を残したF40です。仮にノーマルだとしても、この車はV8ツイン
ターボで478ps、フルカーボンボディで最高速度は324km/hというものです。1988年の登場で、一時の相場は億
を越えたとも言われています。十数年を経た現在でも、中古価格は3000万円が最低ラインですから、もはやノ
ーマルであってノーマルと呼んでいいものか?何もしなくてもすでに本格レーシングカーと同様のスペックを
持ったフェラーリの伝説的モデルです。



こちらはFERRARIが比較的ポピュラーな存在となった最初のモデル、F355チャレンジ仕様です。チャレンジ
車とはいわゆる競技ベース車両のことで、ロールバーやフルバケットシートが標準装備されます。このF355
シリーズにはF-1というモデルがあり、これはステアリング裏のパドルを操作することによってシフトチェ
ンジが可能でデリケートなクラッチ操作がいらず、扱いも容易でFERRARIをより身近な存在にしたと言われ
ています。その証拠に芸能人でもF355F-1の所有者が多いそうですが、個人的にはフェラーリは伝統的なゲ
ートシフトの方が魅力的だと思います。



こちらもノーマル風F40。実は間近にF40を見るのは一昨年に東京のFERRARIショップに案内してもらった時
以来だったのですが、今回の鈴鹿には本当に多くのF40が参加していました。この車のリリース当初は500
台の限定生産ということだったのですが、前述した相場高揚の問題がおこり、注文がある限り生産すると
の方針変更で現実には1300台ほどが出荷されたそうです。街中でやすやすと見かけることはないものの、
意外にタマ数は多いみたいですね。



再びF40。この角度でみるとドアとフロントフェンダー、そしてリアフェンダーとの段差でブリスター具合
がよくわかります。ドアは内側に引っ込んで見えますが、それでもかなりの厚さがあります。このドアは
フルカーボンケブラーで成形され、片側約1キログラムの重量だそうです。そしてドアだけでなく前後のカ
ウリング、バンパー、そしてコクピットを構成するモノコック部分もすべてカーボンケブラーで成形され
ています。



こちらもF40です。F40の写真をたくさん掲載していますが、全部別の車両です。これらの車両は全てサーキ
ット走行に参加した車両ですのでヘッドライトレンズなどにテーピングが施されています。



こちらは近代FERRARIのプレミアムモデルの先駆けとなった288GTOです。日本ではほとんど流通していない
車両ですが、このイベントには4台ほどが参加していたみたいです。V8スモールフェラーリの第一弾、308、
328シリーズの拡大改良版にあたり、サーキットおよびラリーにおいてグループBのホモロゲーションを得
るべく製作されたもので、272台がラインオフされたと言われています。リアビューを見ると、ミッション
ケースがバンパー下に露出した形で搭載され、威圧的な雰囲気を放っています。



288GTOのフロントビューです。4連装の角型ライトポッドが特徴的です。308のエボルツィオーネ(いわゆ
るエボリューションモデル)が288GTOであり、そして288GTOのエボルィツィオーネがF40の原型になりまし
た。パネル構成などをみると、たしかにF40のデザインに近づいているのがわかります。レースを行う目的
で製作されたこの288GTOなのですが、グループB企画でのサーキットレースは結局行われず、残念ながらそ
の勇姿をサーキットで見る事はかないませんでした。



リアウイングに跳ね馬が描かれたF40。上記にある288GTOのリアビューとほぼ同じ角度です。見比べると進
化の具合が良くわかります。ボディデザインはピニンファリーナの手によるもので、FERRARIの創始者、エ
ンツォ・フェラーリが手がけた最後のFERRARIとして、自動車史上に残る名車です。FERRARIといえば12気筒
エンジンというものがひとつのカリスマとして語られていますが、このF40に関してはV8ツインターボとい
う特殊(?)なレイアウトで構成されています。



こちらは512TR。テスタロッサと良く似たルックスですが、エンジンの搭載位置など、中身は全くの別物と
いえます。サイドラジエーターに外気を導くスリットのデザインや、リアのテールレンズをカバーするよう
にとりつけられたガーニッシュフィンの形状などは、MR2をはじめ、各種国産車の社外エアロパーツにも取
り入れられているものですが、やはり車両全体をトータルにまとめたデザインは秀逸で、イタリアンデザイ
ンの素晴らしさをを教えられます。



ピット内での展示車両

こうして各車を観察していると、GOにぃちゃんさんと連絡が取れたので、合流前にピット内を見学しました。

ピットにはタイムアタックに参加予定のFERRARIやレーシングカー、そしてF-1マシンまでが展示されています。




ピット内にも、2台の288GTOが置かれていました。これらはのちに2台の並走を見せてくれました。1台だけで
もめったに見れる車両ではないというのに、2台が並んで走る姿が見られるなんて、本当に驚きというほかは
ありません。しかしこうしてみるとどの車も本当に手入れがよく行き届いていて関心させられます。こういう
車両は国産車などと比べて通常に走行するだけでも神経質な問題を引きおこしやすいものですが、今回マシン
トラブルを起こしたというFERRARIの話はほとんど聞きませんでした。



ピットロードを1コーナー方面に向かってピットを覗いてビックリ!!なんとF-1マシンです。F-1がまさか
イベントに参加しているとは知らずに現地で初めて知り、驚きました。F-1 2000でしょうか?実際にミハエ
ル・シューマッハがレースでドライブしたマシンだそうです。エンジンの隣に置かれている装置はエンジン
を暖気加熱するための巨大なドライヤーです。レーシングエンジンはこうして準備を整えてからエンジンを
始動する必要があり、専用のオイル、フルード類もこうした条件下での使用に限られるものです。



隣りのピットにあったのは、なんとF50GTです。こんな車が日本にあることすら僕は知りませんでした。世界
に3台しかない超稀少試作マシンです。ル・マンへの参加を目的に製作されたものですが、実際にサルテサー
キットを走ることはなかった幻のマシンです。このF50GTはこの後実際にサーキットを走行してくれたのです
が、あまり調子が上がらなかったようです(とはいえとんでもないスピードには間違いありません)。4本の
タイヤが外されているのはF-1のエンジンと同様に、充分暖めてから使用しないと役目を果たさない仕様の
ものが装着される理由からだと思います。



FERRARIの新車、ENZO・FERRARI(エンツォ・フェラーリ)です。1台の価格はおよそ\80.000.000!このサイ
トのModelArtのページでも紹介したマシンですが、こちらはもちろん実車です。しかも、この5台は全て納車
待ちの売約済み車両だそうです、いったいどんな身分の方が購入されたのでしょうか?エンジンはF140型V12
気筒、最大出力は660bhp、車両重量はフルカーボンで1255キロ、最高時速は350km/hというものです。世界限
定399台のうちの5台がここに塊まっておかれてます。会場にいたENZOはこの5台以外にペースカーとして1台、
そしてコーンズのピットに1台の計7台がいました。フロントカウル中央下部に見える銀色のステーはナンバー
プレート用のフレームですが、この場所にナンバーをつけると高速域で安定感が損なわれるそうです 。



そしてこちらがコーンズのピットです。こちらにもF-1マシンがスタンバイしています。こちらはF399
と思われます。今回参加していた2台のFERRARI F-1は両方とも近代型のものですが、パンフレットを見ると、
以前は90年代前半のマシンなども参加していたようです。FERRARIにとって、やはりF-1レース活動は切って
も切れない関係にあると言えるでしょう。このマシンのエンジン音は1コーナーでタイムアタックを見学し
ていた時に聞こえたのですが、そこにいてもすぐにF-1とわかる甲高いものでした。フェラーリの中にあっ
てF-1の音は特別ですが、F-1の中にあってもフェラーリの音は一味違うものです。



F399のカウリングです。当然ですが、カーボンの1体成形ですサイドポンツーン後端に設けられたミニウイ
ングの作りがなんとも職人的です。カウリングが置かれているスタンドはこのカウル専用のものの様で、
その作りは溶接職人funadaさんも納得する出来の良いものでした。こうしてみると、F-1のカラーリングは
市販車のそれとは違って明るく見えるのですが、これはTV中継で見える色が実際よりくすんで見えるため
に、TV映像で市販車と同じ色に見えるようにと調整された色になります。今となっては懐かしいマクラー
レン・ホンダのマルボロカラーも、実際は蛍光オレンジに近い色だったと記憶しています。



FERARRI F-1のアップです。ブレーキローターはカーボン製です。このローターが1枚幾らするのかはわか
りませんが、一度走行すれば簡単に寿命を終えてしまうものと聞いたことがあります。タイヤ代、オイル、
フルード代、そして一度走行すれば入念なメンテナンスを必要とするマシンだけに、こうして1回走らせる
だけでもランニングコストは考えられないレベルになることでしょう。このイベントの入場パスは確かに
安いものではありませんでしたが、ここまで徹底的にファンを喜ばせるイベントとおもえば、この価格は
非常にお特だったと思います。



コーンズのピットで有名人を発見。レーシングドライバーの桧井保孝氏と思われます。GTやS耐で活躍する
ほかにフェラーリ関連の書籍などでも有名で、日本人としてははじめてENZO・FERRARIの試乗レポートを行
ったり、フェラーリチャレンジの世界大会への参戦など、数々の雑誌で彼の記事を拝見しました。今回も、
このイベントで走行に参加していたものと思います。



これはコーンズのデモカーでしょうか?LMルックのモデナチャレンジです。スリックタイヤに3Dウイングを
装備して見るからに速そうなルックスですが、実際にタイムアタック走行ではかなり熱い走りを見せてくれ
ました。



午後の走行開始

そして、無事のGOにいちゃんさん達と合流。関東から参加の方々で、このグループの皆さんのFERRARIは全
体的に走り系のモディファイが行われています。普段の自分を思えば、この時はっきり言ってあまりに格の
違う軍団の中に入れてもらっていて、普通だったら明らかに場違いな気分になるものなのですが、ご本人も
お仲間も皆とても親しく口を聞いてくださるので、気がねなく車に対する考え方や趣味のことなどの意見交
換ができました。



合流したばかりでまだあまり話もできなかったのですが、GOにいちゃんさんは早速F40に乗って走行にでか
けて行きました。このF40はベストモータリングに出演した車両で、その時のドライバーはあの土屋圭一だ
ったそうです。このF40もノーマルではなく、各種にモディファイがほどこされたコンペティツィオーネです。



午後からの走行に備えて、次々とFERRARIがピットアウトしていきます。この写真は珍しい白のF50です。野
太い爆音が印象的でした。走行といっても、この枠はタイムアタックではないので、同乗走行をしている方
が多かったみたいです。



ピット出口は出走するFERRARIで埋め尽くされました。F40、そしてF50などのビッグモデルが中心です。F50
といえば、フェラーリ50周年を記念して製作された限定車で、最高出力520ps、最高速度は325km/hというモ
デルで、価格は\60.000.000以上が相場ですが、見たところ、年齢的にHIGH-GEARedと同じか、それ以下では
ないか?と思うオーナーの姿も何人か見うけられました。



コースを周回して一番最初にもどってきたのは、F50GTです。あまりに速くてうまくファインダーに収まりま
せんでした。こうしてリアビューを見るとエアロダイナミクスの点でノーマルのF50とは大きく違うことがわ
かります。リアウインドウは垂直ではなく、完全にはめごろしされていて、ルーフ上のインダクションポッド
から直接エンジンに外気を取りこむ仕組みとなっています。ルーフの高さにあわせたGTウイングも、高速域
で威力を発揮することでしょう。



ん!?これは250GTOです。リリース当時、フォードのGTマシンを相手にル・マンで大活躍。日本には一体
何台ほどが走行可能なコンディションで実在しているのでしょうか?FERRARIがレーシングカーをそのまま
公道マシンとしてリリースしていた時代のもので、エンジンはF-1に搭載されていたものがほぼそのままの形
で載せられていたと言います。現在での価値はどの程度のものかと聞いて見たのですが、「数億円」とのこ
とでした。もともとの生産台数が少ない上に、レースに使用され、世界中でもわずかな数しか生き残ってい
ないと言われる幻の中の幻ともいうべき最高峰のFERRARIです。



ENZO・FERRARIを先頭に、288GTOが2台並んでホームストレートを駆け抜けます。これも新旧のプレミアム
FERRARIが並走するという印象深いシーンです。



GOにいちゃんさんの乗るF40もそれらに続きました。FERRARIは停車しているだけでも素晴らしい存在感があ
りますが、やはり走行している姿。それもやはりサーキットがとてもよくにあいます。



見学場所を1コーナーに移しました。通常走行の時間枠は終わり、タイムアタックが開始されます。各車と
もにホームストレートから甲高いフェラーリサウンドを撒き散らしながら、1コーナーへのブレーキングに
むかい、2コーナー、S字コーナーへと向かいます。本気のタイムアタック走行だけあって、テールを流すマ
シン、2コーナーアウト側へふくらむマシンなど様々で、めったにみれないFERRARIの本気走行を満喫するこ
とができました。黄色いF40と赤い328の熱い走りが印象に残りました。



グランドスタンドに戻ると、再び普通走行の枠が開始され、ピット出口に各車が整列します。人だかりがで
きているピットではF-1マシンのエンジンが始動されたようで、その爆音は1コーナー近辺まで届いていま
した。



FERRARIほどのパフォーマンスを持つマシンでタイムアタックなどの本気走りをすれば当然のように危険も
伴います。事故はないに限るのですが、MR2クラスの走行会でもクラッシュは避けられないのと同じように、
今回のこのFERRARIイベントでも大きな事故が2件発生しました。余りに痛々しいので部分的カットです。右
側のホイールを撒き散らしたFERRARIは原型をとどめない見るも無残な姿となったのですが、ドライバーが
お二人とも無事だったのが幸いです。



当日お世話になった方々のFERRARI

当日はGOにいちゃんさんの紹介でたくさんのFERRARIオーナーの方とお話させて頂きました。FCJの関係者や
「そのフェラーリください!」や「フェラーリを買ふといふこと」などの著書で知られるMJブロンディ
(清水草一)氏と一緒に写真撮影などもできました。FERRARIに乗っているからといって、みんなエラぶる
ことなく、気さくに普通の車仲間のように接してくださるのがとても嬉しかったです。



これは先ほど走行写真を掲載したF40です。ベストモータリングに登場したもので、ドリキンこと土屋圭一
がドライブしたものです。良くみると、ドリキンが座ったシートにはなんとHIGH-GEARedの姿がみえます。



そうです。運転席に座らせて頂きました。車体価格、メンテ代、そしてチューン代と、いったいいくらか
かっているかわからないこのF40に全くおそれおおいことです。(笑)シフトなどの操作やクイックリリー
スステアリングなどの機能を実際に動かしてみました。クラッチの踏力はノーマルのF40では60kgですが、
このF40はもっと重く感じました。478馬力(このF40は更に出てると思われます)で335サイズのタイヤを
いとも簡単にホイルスピンさせてしまうこのマシンにこのクラッチ・・・。この車を普通に走らだけでも
並大抵のドライビングスキルでは足りないことは容易に想像がつきます。F-1グランプリにおいて、10勝
以上を果たした元FERRARIのF-1トップドライバーのゲルハルト・ベルガーをして「雨の日には運転したく
ない」と言わせたこのマシン、そのコクピットに座った感覚はもはや感無量と言えます。



こちらがドライバーが土屋選手だった証拠のネームステッカーです。ちなみに血液型がB型であったこと
もわかりました。(笑)室内はフルカーボンケブラーで、足元のフロアもシートのうしろ、そしてダッシ
ュボードなどのあちこちに黒と黄色のまだら模様が見えます。シフトはレーシングパターンで左手前が1速
左奥がリバースです。シフトはロッドでつながっているようで、これまで体験したことのないダイレクト
かつ剛性感のある操作感でした。



F40のエンジンルーム。ぱっと見てわかる点として、マフラーとインタークーラーが交換されています。
マフラーはtubi styleのもので、エキゾーストノートはターボらしく、非常に低音の効いたアイドリン
グサウンドでした。ロールバーは標準装備で、画像に映っている斜行バーはストラットタワーに繋がる
パイプフレームの一部で、それとは別に、室内用にアーチ型の特殊な形のロールバーが備わります。



F40のブレーキ&ホイール、タイヤ周りです。ホイールはセンターロックのものでOZレーシング、ひょっ
としてマグネシウムでしょうか?ブレーキはブレンボ製でローターはピンホールとスリットが両方入った
ものです。タイヤサイズは335、それでもこの車のパフォーマンスには容量不足だという話を良く耳にし
ます。



こちらはGOにいちゃんさんと一緒に走行に参加しておられたBBRさんの348challenge/LMです。こちらの運転席
にも、お邪魔させて頂きました。BBRさんは一般的にイメージするFERRARIオーナーの印象とは違ってとて
も腰の低い方で、苦労して貯金を続け、この348を購入されたということです。ボンネットに設けられた
NASAダクトは職人的にボンネットに埋めこんだものだそうで、もともとダクトボンネットとして市販され
ているものではないワンオフのものです。また、写真には映っていませんがフロントリップスポイラー
にはセリエスペチアーレ用のものが装着されていました。



BBRさんの348のリアビュー。チャレンジ仕様のロールバーとミケロット製のカーボンウイング。ウイング
単体のプライスはなんと驚きの1.400.000円だそうです。リアウイングだけでこの値段ですから各部のモデ
ィファイにかけられた金額は天文学的なものかもしれませんね。隅々まで手がいれられつつも、348独特の
コンパクトで塊感のある整ったスタイリングは犠牲にすることなく、とてもキレイにまとめられた1台でした。



348のエンジンルーム。一般的にスモールフェラーリと呼ばれるカテゴリーのFERRARIは308シリーズから代
々V8エンジンが搭載されています。308、328では横置きとされていたレイアウトも、この348からは理想
的な縦置きに改められました。ミッションは横置きのもので、最高出力は300ps、最高速度は275キロという
のがノーマルの標準スペックです。FERRARI348といえば、故アイルトン・セナも所有していたことを思い出
させますね。



348の特徴的なテールランプです。テスタロッサ以降、F355以前のFERRARIには、この特徴的なガーニッシュ
フィンが装備されていました。横長のテールランプのデザインも相俟って、精悍な印象を持っています。



こちらは348の後に置かれていたF355チャレンジ。F355チャレンジと言われて一番最初に想像するイメージ
と言えそうです。ハイマウントウイングにリアメッシュガーニッシュと、リアビューに非常に特徴がありま
すね。こうしてみるとコンパクトに良くまとめられたデザインにみえますが、真うしろからみると意外に
フェンダー周りのブリスター具合の激しさに気づかされます。ボディサイズも348より少々ワイドになって
います。



お仲間どおしで車を並べて記念撮影をされました。今回は電車などでこちらにこられた方が多く、関東の
イベントなどではこの台数の倍くらいが集まるでうです。そして定期的にツーリングなどを行っているそ
うなのですが、この軍団が並んで走るツーリングに、道行く人の反応もかなりもの。(笑)でもそんなこ
とは気にも止めずにコンビニに立ち寄っておにぎりを購入し、箱根に上っておにぎりを食べながら自分の
FERRARIを自慢しあうのが日常だそうです。(笑)



そんな話をしていると、とんでもない爆音がホームストレートを通過しました。見ると、なんと走ってい
ます!そうです、あのF-1マシンです。急いでシャッターを切りました。あまりのスピードに流し撮りをす
るも、鮮明には映りませんでした。しかし、それだけにスピード感のある写真となりました。以前、93年
にこの鈴鹿でF-1日本グランプリを観戦したことがあるのですが、今回は1台だけとはいえ、見ているのは
ピットウォールですからまさにF-1が走るのは数メートル先の超至近距離です。これだけ近いと衝撃波の
ようなものを感じます。



しかし、F-1マシンは2〜3周しただけで早々に走行を終わらせてしまいました。写真を撮るのに夢中で生
で少ししか見られなかったのが悔やまれます。



その後、ロッソコルサのFERRARIだけが集められ、ホームストレートに車文字が描かれました。上空から
みると、『ENZO FERRARI』と書かれているそうです。一体何台のFERRARIが参加したのでしょう?壮観な
眺めです。



この後、鈴鹿サーキットのヘリコプターによって上空から写真が撮影され、最後のパレードランが行わ
れた後、イベントはすべて終了しました。F-1マシンもこれにて撤収します。



新車 ENZO・FERRARIのディティール

今回はENZO・FERRARIの事実上の初披露ということで、たくさんの画像を撮影しました。一般的にはそう
そう見る機会がない車ですし、今後2度と見る事ができなくなる可能性もあるため、ここにディティール
を掲載しておきます。フェラーリモデラーの方など、参考にしてみてください。



フロントおよびサイドです。F-1を思わせるノーズ形状とサイドポンツーン。ボディディメンジョンは
以前組んだタミヤのインジェクションキットとピッタリ一致します。模型の方でも、実物と写真とでは
大きく印象が異なったのですが、実車でもそれと同じことが言えそうです。この車の立体的なイメージ
は平面では表現し辛いものがあるのかもしれません



こちらはサイドビュー。リアのオーバーハングはとても短く、それとは逆にフロントノーズはFERRARI
のこれまでのモデルと同様に非常に長いものとなっています。この画像ではあまりわかりませんが、サ
イドポンツーン状に仕上げられたブリスターフェンダーはそのままフロントまで延長されているため、
これまでの近年のFERRARIのフラッグシップモデルのほとんどがそうだった様にドア部分が凹んだよう
な造型になっています。



リアビュー。他の車にはない独特の造型です。実際に自動車でこのENZOのうしろを走ったとき、そのテ
ールをみてどのような印象を受けるのでしょうか?この角度だとフロントのブリスター具合が良くわかり
ます。



F40、F50などと同じく、リアカウルの外側からウインドウを通してエンジンルームは丸見えです。吸気
ダクトはフルカーボンで成形され、キャビン裏側には銀色の耐熱シートが貼りつけられてキャビンへの
熱の影響を押えています。



リアディフューザー。車体底面は当然のようにフラットボトムです。アンダーパネルもすべてフルカーボ
ンで成形され、モノコック、ボディカウル、ドアに至るまで徹底的な軽量化が施されています。その姿は
まさに公道を走るF-1と言えそうです。



ディスクローターは何インチでしょうか?カーボンセラミック製のローターは驚くほど大径です。ホイ
ールサイズは13jの19インチ、タイヤ幅は345でした。



運転席。スピードメーターは400km/hまでが表示されています。室内はステアリング、ダッシュボードま
でがカーボン製。シフトはステアリングコラムに設けられたパドルで行います。変速時間は15/100秒、こ
れは完全なレーシングスペックです。ステアリングに左右に装備された矢印のついたボタンはウインカー
スイッチで、運転中のほぼ全ての動作がステアリングを握ったまま行えるし組みになってます。





今回、縁があってこの世界的にも注目されるFORZA FERRARIというイベントに参加することになり、これ
まで雲の上とも思えたFERRARIの存在が少し身近に思えた非常に価値のあるオフとなりました。特に、子
供のころから憧れていたF40の運転席に座るなど、一生ありえないことと思いこんでいた事もあって、嬉
しい反面、なんだか実感がなかなか沸かなかったりして不思議な気持ちになりました。

このレポートをご覧になって、「少し身近な存在に思えた」などと生意気だと思う方もおられるかもわか
りませんが、この日、FERRARIをより身近にするため、FERRARIショップの方とある取り引き話がはじまり
ました。 FERRARIという車自体はいつまでたっても雲の上の存在のままですが、この存在を近々自分の
近くに引き寄せようという計画がはじまりました。

結果は夏までにHP上で紹介できると思います。僕のことを『仲間』とおっしゃってくださるGOにいちゃ
んさんをはじめ、幸せな時間を分けてくださった皆様にこの場を借りて、深くお礼を言いたいと思います。

本当にありがとうございました。






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