1/700スケール 装甲巡洋艦 常磐
フォーサイト シールズモデル製インジェクションキット













SealsModel インジェクションキット 1/700

自身の30歳の誕生日を境にはじめた1/700日本海軍主力艦コレクションは、三景艦、
鎮遠、富士型戦艦に続いては浅間型装甲巡洋艦の二番艦、「常盤」を製作しました。


***実艦について***

浅間型装甲巡洋艦の二番艦、常磐はネームシップである浅間と同様に、サー・フィリ
ップ・ワッツ卿によって設計され、1899年にアームストロング社エルジック造船所で
竣工しました。

日露戦役においては第二艦隊第二戦隊の一艦として、日本海にて通商破壊を行うロシ
ア艦隊を追跡し、日本海海戦においては第二艦隊先頭艦の装甲巡洋艦「出雲」「吾妻」
に続く3番艦として戦闘に参加しました。

日露戦争後の第一次世界大戦においては第四艦隊に所属、青島、太平洋、アメリカ方
面に出撃の後、練習艦として遠洋航海などの任務に使用されましたが、1922年には敷
設艦への種別変更が行われ、太平洋戦争においても日本沿岸や東シナ海での機雷敷設作
業に従事、終戦間際の1945年8月9日、大湊港で米軍艦載機の空襲を受けて擱座し、その
まま終戦を迎えました。

常磐は姉妹艦である浅間と同じく長生きした船ですが、浅間が被弾や座礁などを何度
も繰り返した反面、日本海海戦をはじめとした多くの海戦を経験しているにも関わら
ず損傷らしい損傷は最後まで受けなかった幸運艦と言えそうです。



↑スペック的にも艦容的にも、浅間と常盤はほぼ同じです。建造された経緯も
日本海軍に導入された経緯も造船所も竣工年も同じため、同型艦にありがちな
細かな相違点もほとんどなく、ほぼ同じ船と言えます。 


装甲巡洋艦「常磐」(1899年竣工 イギリス アームストロング社 エルジック造船所)

常備排水量:9855トン 兵装:40口径20センチ連装砲2基4門他


***キットと製作について***

装甲巡洋艦「浅間」に続くは浅間型装甲巡洋艦の2番艦「常磐」です。

キットは浅間のまったくの箱換え&説明書換えと呼べるキットで、浅間との相違点を
細部まで調べてみましたが、実にひとつの違いもない、全く同じものでした。

よって、浅間と思えば浅間、常磐と思えば常磐と呼べる状態ですが、浅間と同じキット
というだけあって、浅間で感じたパーツの合いの良さと、完成したら見えなくなる内
部まで手抜を抜くことのないディティール表現は今回も健在です。


↑完成したら見えなくなる部分まできっちりと再現するシールズモデルクオリティ。
個人的に、このメーカーは業界でもっと高い評価を得て欲しいと思っている一社です。

シールズモデルの浅間型装甲巡洋艦は、組みやすさの面でも同社のキットの中では
かなり優秀な部類に入ると思うのですが、ただひとつ注意すべき点を挙げるとすれば、
前後のマストをとりつける際、高さのバランスに気をつけないと、前後で高さの違う
マストに仕上がってしまう点があります。

また、シールズモデルキット全体に言えることですが、シェルターデッキのフレーム
の不要部分の切り取りや、日本海海戦時のマストのファイティングトップ取り付けダ
ボの切削など、パーツの加工が必要な部分が多いので、組み立て前に説明書をじっく
り読んで、注意点を見つけた際にはわかりやすくマーキングしておくなどすれば、失
敗の可能性を減らすことができそうです。

きっちりと組めば期待を裏切らない完成度に仕上がってくれるので、製作する側も
次回作への期待が膨らみます。

↑完成後のシェルター甲板付近



**総括**

「明治艦ファンの皆様、お待たせいたしました」という前回の総括から一年の歳月が
流れてしまいました。 

本当はもう少し早く連載を再開したかったのですが、気づいてみればあれから一年
・・・。この間、公私ともに環境の変化が重なって、現在も変化中なのですが、いざ
一年間を振り返ると、時間の経つ早さが恐ろしくも感じられてしまう昨今のHIGH-
GEARedです(汗)

この1年間は1/350大型艦船模型の製作とAFV、カーモデルの製作と展示会の準備などを
続けていたわけですが、それらの活動を続けつつも、年代別コレクション製作活動の
継続はずっと気になっていました。

今回、ようやくの再開となったわけですが、このシリーズは今後もこれまで通り、
無理のないペースで更新を続けて参りますので、明治艦ファンの皆様に気長に楽
しんでいただけたらと思います。

今回の更新は装甲巡洋艦「常磐」ということですが、これはなんとなく地味というか、
残念ながらあまり目立たない艦という印象が強いですね。 

キットも浅間の時と完全に同じもので、また製作についてもコレクションでの統一感を
重視した「自分なりの明治艦の製作方針」を守っているため、少々面白みにかける
製作記になってしまったのではないか?と反省しています。

常磐を題材にするなら、同じ装甲巡洋艦でも名艦の多い日露戦争時よりも太平洋戦
争時の敷設艦時代の方がいいネタになりそうですが、これは「艦船模型スペシャルNo33」
に製作記事が掲載されておりますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!での年代順コレクションの明治艦は、八島と初瀬(未製作)
を除いて全てを日本海海戦時に年代設定してあります。

三景艦から始まって完成した艦は約二年で現在8隻目。うち、シールズモデルのキット
は7隻で、残すは出雲型装甲巡洋艦と戦艦三笠の3隻のみとなりました。(今後製作予定の
初瀬と敷島はモデルクラック、朝日はフェアリー企画製です) 

こうして見ると、ゆっくりではありますが、着実に成果は上がってきていますね。

けして早い歩みとは言えませんが、この秋からは「坂の上の雲」の実写ドラマもスタート
しますので、励みにして頑張りたいと思います。


↑手前が常磐、奥が浅間の姉妹のツーショットです。この2隻は相違点が全くないので、
同じ完成品を撮影したのではないか?という疑いを持たれないように、ツーショット
画像を掲載しました(笑) なお、サイトには掲載していませんが、実は過去に浅間の
甲板をサンディブラウンで塗装したバージョンも作っています(よって浅間型は3隻目です)。

次回は装甲巡洋艦「出雲」ですので、久々に違う艦型にトライできると楽しみにして
おります(似てるけど)






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