1/700スケール 装甲巡洋艦 浅間
フォーサイト シールズモデル製インジェクションキット













SealsModel インジェクションキット 1/700

自身の30歳の誕生日を境にはじめた1/700日本海軍主力艦コレクションは、三景艦、
鎮遠、富士型戦艦に続いて、初の装甲巡洋艦となる「浅間」を製作しました。


***実艦について***

「浅間」は、イギリスのアームストロング社が売却用として見込み建造に着手していた
ストックボートに、当時、海軍力の充実を急いでいた日本海軍からの売買契約が付き、
その後、日本側の要望を取り入れて完成した、当時世界最高水準の装甲巡洋艦です。

装甲巡洋艦とは、当時、技術発達が著しかった速射砲への防御対策として舷側を装甲
帯で覆った新しい分野の軍艦のことで、攻撃力や防御力が戦艦よりやや劣るものの、
速力と航続距離が長いという特長を持ち、艦隊前面の偵察、主力部隊の警備など、幅
広い任務に用いることが可能な万能艦でした。

浅間は1899年3月18日に竣工し、5月17日に横須賀に到着してのち、義和団事件で初の
出撃を経験しました。

1902年には英国王エドワード7世戴冠記念観艦式に参加し、欧州各国を歴訪しました。

日露戦争においては、開戦直後の仁川沖海戦において、第四艦隊の指揮下に入り、
ロシア太平洋艦隊の防護巡洋艦「ワリヤーグ」航洋砲艦「コレーツ」と交戦、自沈に
至らしめる戦果をあげ、その後、黄海海戦に参加、日本海海戦においては船首に直撃
弾を受け、一時戦線を離脱しましたが沈没は免れ、第一次世界大戦に参加、海防艦、
練習特務艦を経て、第二次世界大戦を生き抜き、戦後の1947年に日立造船因島工場に
て解体され、その長い艦歴を終えました。

日露戦争の主な海戦すべてに参加し、日露戦争後は大正3年から昭和10年にかけて11回
もの遠洋航海に参加し、また日本海軍艦艇において最多となる、4度に渡るお召し艦の
経験を持ち、太平洋戦争終戦まで生き残った浅間は、まぎれもなく日本海軍が誇る名艦
の一隻と言えるでしょう。


↑艤装の配置は富士型戦艦とほぼ同じですが、富士型戦艦と比べて
全体的に、より洗練されたスタイルを持っています。なお、浅間型
装甲巡洋艦の設計は、のちに戦艦ドレッドノートを設計することに
なる、サー・フィリップ・ワッツ卿によるものです。


装甲巡洋艦「浅間」(1899年竣工 イギリス アームストロング社 エルジック造船所)

常備排水量:9855トン 兵装:40口径20センチ連装砲2基4門他


***キットと製作について***

今回製作に使用したキットは、富士型戦艦と同じシールズモデル製のものです。

明治時代の装甲巡洋艦ということで、ある意味とてもマイナーな艦ですが、このような
アイテムまでインジェクションキット化して市場に送り出してくれたシールズモデルの
情熱には、本当に頭が下がる思いです。(初回限定特典として1/700第六潜水艇と、
佐久間記念館のパンフレットが付属するなど、気の利いた構成になっていました)

キットはシールズモデルスタンダードとも言える、左右分割船体に、浅間型装甲巡洋艦
に使用するBパーツランナー、そして同社の「日英海軍装備セット」のCパーツランナー
という構成になっており、富士型戦艦で気になったクリアランスの問題や、パーツの合
いの問題は、このキットではほとんど見受けられませんでした。

特に、船体パーツと、甲板パーツの合いの良さは見事と言う他はなく、左右分割船体で
これほど合いの良い甲板パーツのキットは稀有と言っていいくらいです。

ディティールアップは、これまでの年代順コレクションと同様に、手すりとラッタル、
空中線の追加のみとし、バランスを整えました。



↑甲板パーツには、完成後には見えなくなる内部の仕切りなども
再現されています。マスキングが少々難しいですが、きっちり
仕上げたくなる部分です。



↑速射砲デッキ(?)は富士型戦艦と同じく露天になっています。
この時代の英国軍艦のスタンダートとも言える設計です。



↑海面プレートの乗せてみました。奈良模型愛好会第14回会合に
持ち込んだ時の姿です。




**総括**

明治艦ファンの皆様、お待たせいたしました。

『1/700日本海軍連合艦隊 年代順コレクションページ』の更新は、5月初旬の戦艦
八島以来、1/350高速戦艦金剛製作記を挟んで、およそ半年ぶりとなります。

当年代順コレクションにおいては、当初は戦艦のみのコレクションを予定していた
のですが、シールズモデルの魅力あふれる装甲巡洋艦キットのラインナップを見て、
  明治の日本海軍の活躍を支え続けた装甲巡洋艦群も、ぜひコレクションに加えたい
と考えるようになりました。

富士型戦艦の無骨なスタイルも魅力的でしたが、浅間型装甲巡洋艦では、フライングデ
ッキや艦橋も流線型となり、より洗練されたスタイルが楽しめます。

キットは少々高額ではありますが、左右分割船体により、明治艦特有の舷側ディテ
ィールが精密に再現されていて、なかなかつくり甲斐のあるキットです。

パーツ同士の合いもとても良好なので、同社のキットに慣れていれば、ストレス
なく組めますが、同社キットの装備パーツのCランナーの使用が少々難しく、特に
ダビッドや副砲などは、ほとんどのパーツに加工指示があるため、製作前に何度も
説明書を読みなおして、工程をしっかり理解しておくことが大切です。

浅間を完成させたことにより、明治艦のコレクションは、これから浅間型装甲
巡洋艦の二番艦「常磐」、そして出雲型装甲巡洋艦の「出雲」「磐手」と続くこと
になります。

2008年11月からは、1/350戦艦「陸奥」の製作記の連載を予定しているため、また
少し間があくかもしれませんが、年代順コレクションも忘れずに続けてまいりま
すので、これからもまたよろしくお願いします。






SCALE MODELSに戻る


左側にメニューページが表示されない場合はここをクリック

艦船模型製作代行 モデルファクトリー ハイギヤードはこちら

スケールモデル完成品販売ネットショップ CHERRY&ANCHORはこちら

■管理人オススメ!本格海戦ゲームアプリ「蒼焔の艦隊」■


↑Android版のダウンロードはこちら↑

↑iOS版のダウンロードはこちら↑

フル3Dで作成された艦艇で迫力の大海戦を勝ち抜いていくゲーム。無料にて配信中!(一部有料アイテムあり)





inserted by FC2 system