1/700スケール 二等巡洋艦 橋立
フォーサイト シールズモデル製インジェクションキット













シールズモデル 1/700

厳島のギャラリーと重複になりますが・・・。

2007年12月20日、HIGH-GEARedは30歳の誕生日を迎えました。

この、人生における記念の日をきっかけに、HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!において新しい企画を
スタートさせようと思い立ち、1/700で日本海軍の主力艦艇を、1/700で年代順に完成させ、コレ
クションさせることを思いつきました。

HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!の艦船模型や旅行記をご覧になってる方々の中には、HIGH-GEARed
が明治や大正の軍艦に非常に興味を持っていることに気づかれた方も多いでしょう。

そのため、コレクションにむいた1/700のスケールで、日本海軍艦艇をコンプリートしたいという
気持ちは、以前から強く持っていました。

本当は日本海軍の最初の本格的な軍艦である、装甲コルベット艦「扶桑」からスタートしたかっ
たのですが、キットの入手性の問題からあきらめざるをえず、日清戦争において日本海軍連合艦
隊の初代旗艦となった「松島」をはじめとした、三景艦、準同型艦の、「橋立」「厳島」からは
じめることになりました。


**キットと実艦(三景艦)について**

キットは日本の明治艦の製作を得意とするシールズモデル製のものを使用しました。

同型艦のある「橋立」「厳島」がプラキット、船体形状の異なる「松島」のみがポリウレタン製
の船体を使用するレジンキット(写真2枚目)という構成です。

大きさは1/700で長さ13、5cm程度と、太平洋戦争の艦艇と比べると、非常に小さな船です。 

その艦名から、「三景艦」と呼ばれる、この3隻の軍艦は、当時、清国北洋水師の主力であった
ドイツ、フルカン社製の巨艦「定遠」「鎮遠」に対抗するために建造されたものです。

しかし、当時貧乏国であった日本には、定遠級のような大型艦を海外から購入する資金はなく、
また自国で建造する技術もなかったため、定遠級より小型で安価な防護巡洋艦の船体に、定遠級
の30、5センチ砲を上回る、32センチ砲を一門ずつ搭載するという特殊な艦の設計および建造を
フランスに依頼することになりました。(橋立のみは横須賀での建造)

三景艦の主砲は、フランスのカネー社で開発された加式32センチ砲で、「厳島」「橋立」は前部
に、「松島」は後部に、それぞれ配置されました。

しかし、艦船に詳しい方でしたらご存知のように、この三景艦は竣工と同時に酷い欠陥を抱えて
しまいました。

小さい船体に巨大な主砲を無理やり搭載したため、主砲を旋回させると、砲身の重量の影響で旋
回した方向に船体が傾き仰角がつけられず、砲弾を発射するとその反動で今度は砲身とは反対の
舷に船体が傾き、激しいローリングに見舞われて照準を修正するのが非常に困難になるうえ、進
路まで変わってしまうという始末だったそうです。 

また、カネー砲自体にもトラブルが頻発し、黄海海戦においては尾栓に故障が発生し、発射弾数
は3隻で合計12発、この海戦での日本軍の発砲時間が4時間弱だったことを考えると、各艦ともに
一発撃つのに一時間以上かかった計算になります。

また、この艦は防御面にも問題があり、山本権兵衛曰く「裸体にて太刀を帯たるごとし」と言わ
れるほど、装甲を犠牲にしていた面があり、黄海海戦においては、松島が一発の被弾で約100名も
の死傷者を出す惨事にも見舞われました。

それでもはじめて編成された連合艦隊の旗艦を立派に努め、遊撃隊の速射砲による攻撃を生かして
黄海海戦を勝利することに成功しました。



↑三景艦画像。手前から巡洋艦・・・

「橋立」(1894年竣工 横須賀海軍造船所)

「松島(初代連合艦隊旗艦)」(1892年竣工 フランス フォルジ・エ・シャンチュー社)

「厳島」(1891年竣工 フランス フォルジ・エ・シャンチュー社)

常備排水量:4346トン 兵装:カネー式38口径32センチ単装砲1基1門他



↑橋立の側面。橋立と厳島は同型艦のため、形状が非常によく似ていますが、
船首舷側の切り欠きや、舷側の速射砲ケースメート(砲郭)や舷梯の形状、
ボートの配置などに違いがあります。 舷梯は、厳島がキットのパーツを1/4
サイズに切削するよう指定されていたのとは対照的に、橋立ではそのまま使用
するように指定されています。


**製作について**

ディティールアップは、主に手摺、ラッタルの追加と空中線の展開のみです。

手摺は、変化を付ける目的で、国産艦の橋立のみ2段手摺を使用し、フランス製の松島、橋立は
三段手摺としました(松島の写真で三段手摺が確認できるものがあります)。

マストは、トップマストを0、5ミリの真鍮線で自作したほか、主砲と舷側の速射砲も真鍮パイプ
に交換しました。 速射砲はパイプ径が0、5ミリと、穴の径が極端に小さいパイプなので、良く
見ないと穴が開いている様子が見えません。(笑) 

また、細かい部分ですが、松島の前部甲板に装備されている防弾板(?)は、レジンの湯まわ
りがよくなかったので、プラ板で作り替えました。




↑後部に搭載されたカッターと、舷側に出っ張ったケースメイトが橋立の証です。
そのため、キットの組立説明書には、厳島のボート用のモールドを切削するよう、
指定がされています。



**総括**

今回三隻同時に製作した三景艦の中では、橋立のみが二回目の製作になります(理由は、厳島のギャ
ラリーに記載しています)が、何度製作しても、この船は本当に面白い形をしていますねぇ。

舷側が膨らんだタンブルファーム構造は、この時期のフランス艦の特徴で、2007年にHIGH-GEARedが
製作した1/350戦艦クニャージ・スオロフにも、同様の特徴が見て取れます。

この形状の船体構造を持つ船の模型を製作する際の注意点は、なんと言っても持つときに細心の注
意をはらうことにつきます。 特に、この三景艦のように、舷側に速射砲が並んでいる艦は、持つ
場所が限られますし、人差し指と親指で不用意に摘むと、つるんと滑って船体が飛んでいってしま
う可能性がありますので(かくいうHIGH-GEARedも、一度床に墜落させてしまいました)。

なんにしても、鹵獲艦を除けば連合艦隊に編入された艦で、この形状の船体を持つ艦は、この三景艦
のみということで、今後はそのような危険は少なくなることと予想しています。(笑)






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