1/350スケール 戦艦 大和 新考証10回目
田宮模型製インジェクションキット 18回目
ファインディティール















タミヤ  1/350 戦艦大和18回目 ファインディティール (新考証10回目)

1/350戦艦大和は今回で18回目です。 前回は航空作業甲板周りのディティールアップな
どを掲載しましたが、今回は新たなディティールアップパーツを使用すると同時に、各部の
作業精度をさらに煮詰め、これまでの1、5倍の製作費と2倍の製作時間をかけたファインディ
ティール仕様として仕上げました。

もちろん、これまでの作例の中でも最高のディティールアップを施したものになりました。

今回は、航空作業甲板の徹底ディティールアップのほかに、主砲、副砲砲身も今回は真鍮挽
き物パーツに交換することで、砲身に穴をあけたプラ部品では再現できなかった正確な砲口、
真円性、微妙なテーパー角などを再現しています。


↑今回特に力を入れた航空作業甲板周りと主砲塔および主砲身の様子

また、砲塔自体も新考証によるレジン製のアフターパーツを使用し、キットのものよりやや
大ぶりで、正確な側面形状と、測距儀のシャッターをあけた状態を再現しました。 

もちろん、第二、第三砲塔上の機銃ブルワークも新考証のもので、シャープに造型されて
います。

その他、これまでの作例と比較して、今回新たに手を入れた部分は数え切れませんが、
主なものを下記に掲載しておきます。


***今回新たに追加した主なディティールアップ要目***

鋼板継ぎ目再現、甲板パーツ継ぎ目消し、ゴールドメダルおよびエデュアルドの1/35
0戦艦大和用エッチングパーツおよび精密チェーンによる錨鎖再現などは従来どお
りで、今回は新たに下記のディティールアップを追加しました。


主砲および副砲の真鍮砲身採用
主砲塔新考証レジンパーツ使用
航空作業甲板航空機運搬軌条エッチングパーツ化
内火艇搬入口周り航空作業甲板支柱エッチングパーツ化
ジブクレーン精密化
艦橋周りジャッキステー追加
21号電探背面支柱追加
第二主砲バーペッド缶室吸気口フィン追加
第二主砲バーペッドラッタル追加
艦橋基部前部缶室吸気口フィン追加
航空作業甲板缶室吸気口フィン追加
船首及び船尾に錨見台追加
ライフリング(浮き輪)追加
消火ホース追加
甲板上昇降ハッチエッチングパーツ化
船底側面注排水口開口
後部電探室周り手摺および水密扉追加
高角砲射界制限枠の形状を新考証に近いものに調整
ループアンテナエッチングパーツ化
マントレット仕様の機銃ブルワークを単体による複数再現にて精密化
空中線の展開を新考証に近いものに調整
3連装機銃自作角型ブルワークの材料変更にてエッジを強調
船尾増設機銃座の形状を大和ミュージアムの平面図に合わせたものに変更
台座の塗装をニス塗りからオイルフィニッシュに変更。従来より渋い色味です
角材加工にてネームプレートステーを自作し、従来より大和のロゴを見やすくしました


今回は全部で59枚の詳細なデジカメ画像を用意しました。 ディティールアップも
多数なら、画像の掲載数も過去最大です。
それでは、今更説明する必要もないくらい有名な戦艦ですが、まずは戦艦大和の実
艦についての簡単に解説させて頂きます。


***戦艦大和 実艦について***

日本の造艦技術の高さを世界に示した巨大戦艦大和は昭和12年11月に呉海軍工廠
にて起工、昭和16年12月に竣工しました。

水線長256メートル、最大幅は38、9メートル、排水量約7万トンの巨体に46センチ主砲と
いう巨砲を9門搭載。その大きさ、武装は当時世界最大、最強を誇りました。主砲の46セ
ンチ砲は最大射程41キロにも達し、距離30キロにて厚さ43センチの鋼鉄板を貫通させる
威力を持っていました。

一方、防御力の面でも基準排水量の3割になる21266トンの装甲板を使用。艦の全長をで
きるだけ短くし、艦橋や砲塔、機関部などの重要部分を中央に集めた集中防御方式を採
用して高い防御力を実現しました。さらに、水面下の形状ででもっとも特徴的なバルパス
バウ。3メートルも前方に張り出した球状の船首は、その他の工夫と相まって造波抵抗を
軽減、推進効率に優れた艦形を実現しています。

こうした技術が戦後日本の造船界に遺産として受け継がれました。 大戦中はミッドウェ
ー海戦やレイテ沖海戦に参加し、太平洋に君臨した大和でしたが、昭和20年4月7日、
菊水作戦による海上特攻部隊として沖縄に向かう途中、300機からなるアメリカ海軍機の
猛攻を受け、ついにその姿を海中に没しました。(解説書より)


***キットとディティールアップについて***

1/350戦艦大和の大きさは、全長およそ77cm、台座の幅は18cm程度です。

タミヤの1/350戦艦大和はそのまま組むだけでも充分精密で存在感のあるモデルですが、
設計が古いため、考証の誤りが多いキットでもあります。

そこで、機銃配置を中心に最新の考証に合わせるべく、市販ディティールアップパーツ
と自作パーツをふんだんに使用して現在の考証に近づけ、更に多くのディティールアップを
盛り込みました。

市販のディティールアップパーツには・・・

ゴールドメダルモデルズ「350ー5)WW2 日本海軍 大和・武蔵用」
ゴールドメダルモデルズ「GM3505A)wwU大和/武蔵用 追加エッチングパーツ」
エデュアルドの「53−001)大和 ディテールアップパーツ」
ピットロードの「GB−12)「大和」改造パーツセット 主砲3基入り」
FUKUYAの「350−2)大和型 副砲6本」

などを使用。 その他、汎用のエッチングパーツや精密チェーン、着色テグスなどを使用し、
製品にないパーツは自作しました。

ゴールドメダルの大和、武蔵用パーツは電探や主砲、副砲、構造物、甲板上の手摺、タ
ラップカタパルト、クレーン、煙突周りの通路に使用し、ゴールドメダルの追加パーツは航
空作業甲板の運搬軌条、内火艇搬入口周りの航空作業甲板支柱、各種缶室吸気口フィ
ンに加え、単装機銃座やライフリング、錨見台などの小物の再現に使用しました。

エデュアルドのパーツは構造物や航空作業甲板の滑り止めモールドおよびメッシュ部分、
ゴールドメダルの追加パーツと一緒に美味しい所取りをしたの缶室吸気口のフィンや、新
考証の煙突通路の再現などに使用しました。

キットで省略されている高角砲デッキの射界制限枠は真鍮線を現物あわせで切り揃え
て自作しました。 

高角砲射界制限枠の形状は、これまでの企画的な形状のものから、考証にあわせた形状
に変更しました。

それ以外にも自作したディティールは多く、機銃ブルワーク関連だけでも自作したパーツは
プラバン、パテ製合わせて90個以上におよび、高角砲射界制限枠や足場などを含めると百
数十個になります。


↑考証に合わせて配置を変更した機銃郡と自作した機銃ブルワーク類


↑プラバンで自作した船尾機銃スポンソン

機銃配置変更によってキットだけでは足りなくなってしまう3連装機銃は、アフターサービ
スでランナーごと取り寄せ、パーツ数をそろえました。

全体像を9枚の画像にわけて撮影しましたのでご覧ください。


全体像1。右舷前方の様子


全体像2。右舷中央部の様子


全体像3。右舷後方の様子


全体像4。左舷前方の様子


全体像5。左舷中央部の様子


全体像6。左舷後方の様子


全体像7。上空から見た船首の様子


全体像8。上空から見た船体中央部の様子


全体像9。上空から見た船尾の様子

船体はバリやパーティングラインをひととおりサンディングしたあと、舷窓や構造物の丸窓
をピンバイスで開口してモールドのメリハリを強調しています。



***舷側の鋼板の継ぎ目モールドと注排水口を追加***

鋼板の継ぎ目モールドの追加方法は同じ大きさに短冊状で切りそろえたマスキングテー
プを舷側に貼り、サーフェーサーを吹いて塗膜の段差を作る方法で行いました。 縦の
継ぎ目を追加する目的で同様の作業を何度も繰り返して完成しました。

今回はこの処理を目立つ舷側部分に行ってあります。


自作した鋼板の継ぎ目の様子です。模型映えを考えれば大型モデルには効果的な
ディティールアップです。



製作途中の画像。モールド再現は塗装によるサフの階層による自作です。

その他、船底の側面部分に資料に従ってピンバイス加工にて注排水口を再現しました。


***船首のディティールアップ***

船首錨鎖甲板はフラグシップの模型用汎用精密チェーンを使用して実物の鎖が持つ立
体的な造型としました。

号令台には手摺を装備させ、錨見台はゴールドメダルの追加エッチングパーツセットの中
から、展開した状態のものを取り付け、予備の錨見台は折り畳んだ状態で取り付けました。

単装機銃座はゴールドメダルの追加エッチングパーツによるものです。


船首のディティールアップの様子@ 号令台上手摺、錨鎖、錨見台などを再現しています。

波除板には消火ホースを再現し、船首吃水線付近にはデカールで吃水ゲージを追加しました。


船首のディティールアップの様子A 波除板の消火用ホースを再現しました。


***甲板のディティールアップ***
甲板の塗装は、最終時の大和の甲板色は、レイテ沖海戦時と同じように黒く塗装されて
いたとか、沖縄出撃の時期には黒塗装が剥がされていたとか、色々な説がありますが、
最近では木甲板色の考証が盛んということで、模型映えも意識して今回は木甲板色に近
づける塗装を施しました。

木甲板色の下地には、黄色を吹き付けて鋼板部分との発色に変化を付け、木甲板色は
今回はGSIクレオスの「タン」「ウッドブラウン」「カーキ」「イエロー」などを数色使い、自分
好みに調合したオリジナルの塗料を艶消しにして吹き付けました。

塗装の際、下地にはイエローを吹き、下地を隠蔽して、鋼板部分との発色の違いを演出しました。

キット状態で開けられている単装機銃の取り付け穴は、考証の変更によって不要になる
ので埋め、また甲板パーツの前部と後部とを繋げた繋ぎ目の部分も埋め、キットをその
まま組み立てた状態と比較して、継ぎ目部分を目立たなくする処置を施しました。



不要な単装機銃取り付け穴や甲板パーツの継ぎ目は全てパテ埋めしました


***九四式45口径46センチ主砲***

大和の主力装備である46センチ主砲は、今回は砲塔、砲身も全てディティールアップ
パーツに交換しました。

砲塔、砲身ともに先日発売されたばかりのピットロード製のものを使用。 砲塔はレジン
製のもので最新考証に基づいて設計され、キットのものよりややおおぶりで複雑な側面
形状などが忠実に再現されています。

また、資料が足りず、良く「モデラー泣かせ」といわれた後部出入り口扉を新しい解釈で
再現し、天蓋へ通じるラッタルや足場なども再現してあります。


新しい考証にて繊細に再現された主砲塔背面出入り口


この砲塔パーツは、説明書には模型に固定するか、バーペッドの上に置くように指定さ
れているのですが、今回は砲座部分とキットの固定パーツを小加工し、固定した状態で
旋回可能なように改造しました。(旋回させる際には測距儀部分を持って動かしてください)

砲身は同じくピットロードのもので、真鍮挽き物製でプラ部品とは比較にならない精度を
持っています。 

もちろん、砲口も実に正確に開口され、実砲の微妙なテーパー角も再現されています。
レジン製の防水布もシャープな造型です。


真鍮砲身使用にてシャープに再現された砲身

第二、第三砲塔上に装備された機銃座もピットロード製のレジンパーツで、新考証によ
る6角形の形状と、床面の滑りとめモールドなども精密に再現されたものを使用しました。

砲塔上の手摺は、ゴールドメダルモデルズのエッチングパーツを使用し、複雑な形状
を再現しました。 


機銃座が増備された砲塔天蓋。6角機銃座と手摺などの様子。

シャッターを開けた状態でモールドされた測距儀開口部は白く着色し、実物の形状
をマーカーで書き入れました。


第一主砲塔の詳細画像。

また、主砲を支えるバーペッド(砲座)も目立つ第二主砲部分にバーペッド補強板をプラ
バンで自作して貼り付けました。

バーペッドにはその他ラッタルをエッチングパーツにて追加しましたが、取り付け位置
は尾道の「男たちの大和ロケセット」を参考に同じ位置にとりつけました。


第二主砲塔の詳細画像


第三主砲塔の詳細画像


***三年式60口径15、5センチ副砲***

副砲はキット状態では防水布が再現されていないので、エポキシパテで自作しました。

砲身も主砲と同じく真鍮挽き物製の砲身を使用し、正確な砲口とテーパー、真円性を
再現しています。

手摺はゴールドメダル製のエッチングパーツによるもので、防水布ガードはエデュアルド
のエッチングパーツを使用。 冷却フィンは書き入れたものです。


エッチングパーツと自作防水布などでディティールアップされた副砲まわり

副砲バーペッドは前後とも目立つ部分ですので前部のものは背面出入り口とステップの
滑り止めモールド、手摺などをエデュアルドエッチングパーツで再現し、後部のも含めて
キットで省略されている缶室吸気口のフィン部分を追加しました。

また、側面に取り付けられているライフリングはゴールドメダルモデルズの追加パーツから
使用したエッチング製で、消火ホースはエデュアルド製です。



前部バーペッド背面の様子。補強板や出入り口の様子

 
後部バーペッド。キットで省略されている缶室吸気口を追加しました


***八九式40口径12、7センチ連装高角砲***

最終時の大和にはシールドなしの高角砲とシールド付きの高角砲が装備されていました
が、今回の完成品ではそのどちらもディティールアップし、シールドなし高角砲の砲座に
も足場を追加するなどより実感的にディティールアップしました。


高角砲デッキ全体図

シールドなしの高角砲は前部中央の補強板をエデュアルドのエッチングパーツを使用して
追加、シールド付き高角砲のシールド部分にはゴールドメダルモデルズのエッチングパーツ
で手摺を追加しました。

砲座には、角材で構成されていたと言われている足場をプラ材で自作して取り付けました。


自作した高角砲座の足場の様子


高角砲シールドに追加した手摺などの様子

キットで省略されている高角砲射界制限枠は真鍮線で自作して装備しました。

射界制限枠の形状は、今回は資料や博物館模型の作例などを参考に、考証に近い形 状のものを現物あわせで自作しました。


真鍮線で自作した高角砲射界制限枠と、その他の高角砲周りのディティールアップの様子


***各種機銃およびブルワーク自作***

機銃に関しては、九六式25ミリ3連装機銃を中心として、新しい考証に合わせた配置換え
(左右対称配置)など、多くの改造を行いました。

まず、必要となるブルワークはほとんどをプラバンで自作、8角オープン形状の前甲板部分の
ブルワークのほかに、ハンモックを積んだ単装機銃用応急ブルワーク、そして船尾の機銃スポ
ンソンなどを全て自作し、主砲上の機銃座にはピットロード製のレジンパーツを使用して近年
のブルワーク角型に近づけました。

自作の8角オープンのブルワークは、今回は厚さ0、1のプラバンを使用してこれまで以上に
スケール感とエッジを強調しました。


「男たちの大和」映画セットでも採用された8角オープン形状のブルワークをプラバンで自作しました


単装機銃の装備状況は諸説あります。今回は2台並列にレイアウトしました。機銃座はゴール
ドメダルモデルズ追加エッチングパーツから、マントレットはパテによる自作で、1個1個を個別に
成型して積み重ねることで、これまで以上に精度を出しました。内側にはプラバンで自作したブル
ワークも存在します。

特徴ある形状の後部機銃スポンソンは大和ミュージアムの1/10モデルで採用されている
平面図を参考にプラバンで1から自作しました。


自作した船尾機銃スポンソンの様子

また、機銃自体は3連装、連装、単装ともにGSIクレオスの金属粒子入りスーパーメタリッ
クカラーの「スーパーアイアン」を使用し、実物の金属の発色に近づけた仕上がりとしました。


***中央構造物基部***

艦橋や煙突を装備する中央構造物は大和のメカニカルな魅力の魅せ場になる部分でも
あるので、ゴールドメダルモデルズおよびエデュアルドのエッチングパーツ、それと自作
パーツなども含めて細部までディティールアップしました。


中央構造物全景。

キットでは省略されている各種水密扉およびタラップを資料に基づいた位置に追加して
側面のディティールをよりメリハリのあるものにした他、デッキ部分には、キットでは再現
されていない滑り止めモールドをエデュアルドのエッチングパーツにて追加しました。

また、手摺再現は部分部分によって2段式、1段式の手摺と再現方法を区別しています。


資料に基づいた位置に追加したラッタル、缶室吸気口と滑り止めモールとなどの様子

自作した部分は、高角砲のディティールアップでも記載しましたが、高角砲射界制限枠
で、真鍮線を材料に現物あわせで工作したものです。


***缶室吸気口再現***

缶室吸気口もエッチングパーツでフィンを再現し、よりシャープで立体感のある仕上がり
としました。

今回は従来まででは再現できなかった部分も再現してあります。

中央構造物はもちろん、第二主砲バーペッド背面、航空作業甲板上などにも多数のフィ
ンを貼り付け、実感的に仕上げました。


第二主砲バーペッド背面缶室吸気口フィン


中央構造物前面缶室吸気口フィン


航空作業甲板缶室吸気口フィン

  
***艦橋のディティールアップ***

艦の頭脳である艦橋はディティールアップのしがいがある部分ですので、エッチングパ
ーツの使用を中心に、防空指揮所の双眼鏡を自作するなど、様々な工作方法を盛り込
みました。

まず、昼戦艦橋前部および夜戦艦橋の窓枠のプラモールドを切削してゴールドメダル
大和用追加エッチングパーツを使用し、窓枠をより立体的に再現しました。

また、成型の都合で省略されていると思われる艦橋前面の作戦室、艦長休憩室、第二
海図室の丸窓をピンバイスで掘り込んで追加しました。

測距測的所周りでは、15メートル測距儀にキャットウォークと足場をゴールドメダルモデル
ズのエッチングパーツ使用で追加したほか、21号電探も同社のエッチングパーツで再現、
実物どおりメッシュ部分の抜けた電探としました。

また、電探背面の支柱をゴールドメダル追加エッチングパーツより使用し、今回初めて再現
しました。

防空指揮所の床面はグレーチングとリノリウム部分をそれぞれ想定した色に塗りわけ、双
眼鏡は真鍮線で自作しました。


防空指揮所周り。自作した双眼鏡の様子など

艦橋背面のタラップは汎用のタラップパーツを現物あわせで使用しました。 側面のジャッキ
ステーもエッチングパーツです。


艦橋背面タラップや空中線の様子。内部空間のある艦橋の様子も

司令塔はこれも成型の都合か?前面の観測窓が再現されていなかったので、モールドを
を模して書き入れておきました。


艦橋構造物全体図


***後部艦橋のディティールアップ***

後部艦橋は手摺や缶室吸気口フィンなどをエッチングパーツで再現するなどのディティ
ールアップを施しました。


ディティールアップされた後部艦橋の様子


***煙突廻りのディティールアップ***

煙突はキットの最新ロットでは出口が開口されています。 

煙突まわりの通路は新考証にあわせた形状のエデュアルドのエッチングパーツを使用
しました。 これにより、左右射撃指揮所と煙突、兵員待機所屋上の4箇所を結ぶ最新
考証に近い形状の通路を再現しました。

煙突後部の缶室吸気口フィンもエデュアルドのエッチングパーツでディティールアップ
してあります。

また、今回はじめて探照灯デッキ床面のグレーチングを再現しました。ゴールドメダル
の追加エッチングパーツ使用です。


開口された状態の煙突頂部とエッチングパーツ使用で最新考証に改造した通路の様子等


***マストのディティールアップ***

マストは前脚1本、後脚2本の構造としています。

このマストをベースにタラップと電探をエッチングパーツで追加しました。


マストの様子


 ***航空作業甲板上の航空機運搬軌条***

航空作業甲板はゴールドメダルモデルズの追加エッチングパーツ、エデュアルドのエッチ
ングパーツの両方を使用して、今回はじめて徹底的なディティールアップを施しました。

まず、プラモールドの運搬軌条を全て切削して取り除き、ピンバイスを使って500個以上の
取り付け穴を明け、ゴールドメダル追加パーツセットのエッチング製のレールを1本1本貼り
付けていきました。

ターンテーブルもレールが別体で再現されたもので、これまでの作例の単体パーツより立
体感に優れるものです。


エッチング再現による運搬レール


製作途中の画像です。このように無数の穴あけを行います

航空作業甲板側面滑り止め鋼板およびメッシュ部分は、エデュアルドのエッチングパーツ
にて再現しました。 運搬軌条などと組み合わせることで、従来より立体感溢れる航空作業
甲板に仕上がっています。

缶室吸気口はゴールドメダル追加エッチングによるもので、夜間歩行帯はリノリウムを模した
色に塗装しました。


***カタパルトのディティールアップ***

カタパルトはキットのパーツを使わず、ゴールドメダルモデルズのエッチングパーツに置
き換えました。 

トラス部分が埋まっているキットのパーツを使用するより断然精密で実感的な仕上がり
です。


トラス部分がスッキリ抜けたエッチングパーツ使用のカタパルトの様子


***ジブクレーンのディティールアップ***

ジブクレーンは基部にキットのパーツとエデュアルドのパーツを使用し、トラス部分をゴ
ールドメダルモデルズ製エッチングパーツを使用する「いいとこ取り」の方法で、よりシャ
ープに仕上げました。


クレーンも各部をエッチングに交換し、シャープに仕上げました


***内火艇搬入口周り航空作業甲板支柱***

今回は航空機運搬軌条のほかに、内火艇搬入口上部の支柱もエッチング化しました。 

運搬軌条と同じくゴールドメダル追加パーツを使用し、キットのモールドはレールと同じく
全て切削除去してから貼り付けました。

手摺やタラップの再現には大和ミュージアムの1/10模型写真集を参考にしました。

タラップ本体は1/350ゴールドメダル大和用エッチングパーツから使用し、踊り場部分は支
柱をとりつける関係で切削してしまっているので、プラバンにて自作しました。


支柱をエッチング化し、手摺と踊り場を追加した内火艇搬入口の様子。左舷側


支柱をエッチング化し、手摺と踊り場を追加した内火艇搬入口の様子。右舷側


***空中線***

空中線はフラグシップの模型用着色テグスを使用しました。

大和ミュージアムの1/10モデルを参考にした位置に瞬間接着剤で固定し、碍子に見立て
てところどころ白塗装を施しました。



空中線の様子。船体中央部


***塗装について***

今回は塗装にも少しこだわり、船体色にタミヤの「呉海軍工廠色」を使用しました。

下地は全てのパーツをサーフェーサーで仕上げ、前述のように舷側には鋼板継ぎ目を再
現する工夫をしつつ下地を仕上げました。

木甲板部分の塗装は船体と発色を変える目的でサフの上にいったん黄色を下地に吹き
  付けその後に自作の木甲板色を吹き付けました。 クレオスの塗料を数色調合し、イメー
ジに合わせたものです。

船底はクレオスの「艦底色」、航空作業甲板「軍艦色1」機銃やスクリュー、菊花紋章など
金属色の必要な部分は金属粒子いりの高級塗料「スーパーメタリックカラー」で仕上げました。

リノリウムコーティングの防空指揮所やグレーチング部分などはエナメル塗料の筆塗り
で塗り分けました。


船体色、甲板色のバランス


質問が多かったのでマスキング状態の画像を掲載しておきます。


***木製飾り台と金属製飾り脚について***

今回は飾り台もこれまでより、ひと手間かけて見栄えを追及しました。

飾り台自体にはキットのプラ製のものを使わず、ネームプレート以外は自作で部品を調達して
作りました。

飾り脚は真鍮製のものを使用、台座は木製の汎用のものを使用し、従来までのニス塗装をや
め、今回はオイルフィニッシュ(木製帆船模型塗装で有名な英国ワトコ製ウッドオイル)で仕上げました。
塗りこんでは磨き、塗りこんでは磨きを繰り返すことで滑らかな表面と渋みのある色彩に
仕上げてあります。
ネームプレートはキットに付属のものを塗装して仕上げました。 ゴールドの文字部分に
はGSIクレオスのスーパーメタリックカラーを使用し、金属感のある塗装を目指しました。

このネームプレートの視認性をよくするために、木材を加工してステーを自作し、45度の角度
で見えるように工夫しました。

また、飾り台と飾り脚は模型の船底内部に固定されたナットとボルトで固定されておりま
すので、プラスドライバーでボルトを抜けば、模型を簡単に飾り台から外すことも可能です。


ウッドオイル仕上げの飾り台と金属飾り脚、塗装仕上げのネームプレートなどの様子


**総括**

今回のファインディチールでは、社外品の砲塔および砲身や、運搬軌条など、これまでは行ってこなかった
新しいディティールアップの数々に挑戦してきたのですが、これは今後行う予定の2隻の大和の予行演習も
かねて行いました。

1隻は、この後製作記を掲載した、1/200戦艦大和ファインディティール、そして、夏以降に製作予定の
1/350決定版です。

1/200では特に航空作業甲板周りのディティールアップや、吸気口フィンが1/350と共通なので、良い練習
になりました。

次回製作の1/350決定版では、1/200ファインディティールで行った構造物周りの鋼板継ぎ目の再現を更に
進め、パーツでは新たにホワイトエンサイン、エデュアルド(武蔵用)エッチング、ライオンロアのパーツセット
およびFUKUYAの高角砲身などを導入し、贅を尽くした(笑)仕様になる予定です。

大和決定版は、三笠と同様に、手元に永久的に置いておくつもりです。 1/200ファインディティール製作記
の総括にも書いたことなのですが、サイトにはたくさんの模型を掲載しているものの、手元に残る作品はごく
わずかなので、あくまで自分の納得のいく仕上がりにできるよう、とことん突き詰めていきたいです。

ところで、ハセガワから1/350雪風のリリースがアナウンスされましたね。 もちろんHIGH-GEARedも早速予約
しました。 また三笠の時のように、いちはやく完成させてレポートに仕上げたいと思います。

最近、大型艦船模型の開発を精力的に行っているハセガワの影響で、他メーカーからもまた大型艦船模型の
開発競争でも始まってくれればな〜と考えている今日この頃です。


**追記**

「次回製作予定」の決定版は、「次々回製作予定」に変更になりました。




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