1/200スケール 駆逐艦 秋月 2回目
Nichimo製インジェクションキット













ニチモ 1/200

2003年1月のニチモ製1/200防空駆逐艦秋月に引き続いて2回目の製作となり
ます。今回は全体的に汚れた雰囲気を出すために、ウェザリングの方法も工夫
してみました。

実艦の解説は以前掲載したものと重複します。

乙型駆逐艦秋月は、1942年舞鶴海軍工廠で建造され、主に艦隊の防空護衛
任務につく目的で設計されました。この秋月型駆逐艦の主砲には九八式10
サンチ連装高角砲が装備され、新開発の九四式高射指揮装置により、前部
と後部の高角砲をそれぞれ別々に制御できるようにし、軍部の要求以上の
性能を発揮して春の公試運転の際には日本駆逐艦のひとつの完成形と非常
に高い評価を得ました。

その後、同年6月より戦列に入り、フィリピン沖海戦の際には来週する敵
機13機を撃墜し、米軍においても作戦行動中、秋月型駆逐艦には不用意に
近づくなという警報が発せられたと言います。

しかしその後、数々の作戦に参加し、何度も窮地を乗り越えた秋月は、
1944年10月25日護衛任務のさなか、米潜水艦「ハリバット」の雷撃を受け
8時55分に沈没しました。空母「瑞鳳」に向かう魚雷を身代わりとなって
被雷したという説は連合艦隊史上、あまりに有名な一説です。



今回の作品は、この駆逐艦秋月の1/200スケールのモデルです。前回とは
ことなり、要望もあって今回は洋上模型として展示可能なものとはせずに船
体の上下を接着し、全体的に汚し塗装を施しました。

ベースに使用したキットはNichimo(ニチモ、日本模型)の1/200駆逐艦シリ
ーズのインジェクションキット『防空駆逐艦(展示模型版)』です。

ディティールアップに必要なパーツは大阪駅前第一ビルにショールームを
移転した小西製作所を訪れ、手摺やタラップ、精密チェーンや機銃などを
揃えました。

小西製作所を訪れたのはショールームが移転してはじめてのことだったので
すが、完成品の展示も増えてモデラー以外のコレクターの方でも楽しめる
場所となっていますので、近隣の方はご覧になることをオススメします。



船体はバリやパーティングラインを消したあと、舷窓や構造物の丸窓をピ
ンバイスで開口してモールドのメリハリを強調しています。

艦橋の窓も同じくプラのモールドを切りぬいて開口し、真鍮線を使って窓枠
を再現、リールには全て糸を巻きました。

船首のアンカーチェーンは小西の銅製チェーンで、これをシルバーアクセサ
リー用の黒染め液にてブルーイングし、更にクレオスのウェザリングカラーの
錆色を筆塗り&吹きつけで汚れた感じを表現しました。

手摺はこれまでと同様に小西製のエッチングパーツで、機銃やタラップも小西の
精密真鍮鋳造パーツを使用しました。

空中線はこれまでのフラグシップの模型用精密テグスより更に細めの釣り用の
ものを使用。張り終えたあとに着色しました。


外舷塗装の下地にはホワイトサフで一旦目止めをしてから艦底色を塗装し、錆止
塗料の下地を再現しました。1/700程度の小さな模型ではモールドのメリハリが利
かなくなるのでお勧めはできませんが、大きなスケールモデルには鈍い発色が
重量感を引き立たせてくれるので個人的に気に入っている方法です。



リノリウム甲板は、ピットロード艦船カラーのリノリウム専用色を使用しました。

船底はGSIクレオスの艦艇色で、最期につや消しクリアーコートを施して塗膜の
保護をすると同時に、落ちついた質感に統一しました。もちろんすべてエアブラ
シによる吹き付け重ね塗り塗装です。

その他、吸排気口の細かい塗り分け、浮き輪などは筆塗り塗装で、カッター
ボートや内火艇などの塗り分けは資料にしたがって細かく行っています。





**総括**

Nichimoの駆逐艦キットについては、小西製作所にパーツを仕入れに言ったときに
オーナーとお話したのですが、本来ライバル社(?)であるハズの小西さんもNichimo
の駆逐艦はかなりお気に入りのようでした。(笑) 

大和に関しては船首の形状がNichimoの考証は間違っているとのことでしたが、確
かに展示されていた模型の船首形状は違いました。この小西製作所の大和完成品は
実に100万円もするものなのですが、さすが高額なだけあって小西流のこだわりが生
きた製品だと思いました。

話はそれましたが、Nichimoの秋月はキットの素性はいいものの、前回のレポートにも
書いたように説明書のミスプリントがあまりにも多いため、今回もパーツの選定にはか
なり苦労しました。部分的には組み立て説明書の絵をみてパーツを選択しなければ
ならないのでまるでレジンキットを組んでるような気分です。 前回に引き続き、今回
も同じ失敗を積んでいるので、次回製作するときには自分で説明書の改訂版を作っ
てギャラリーに公開できればと考えてます。 キットについて検索してこられる方が
おられれば役に立つかもしれませんので。(苦笑)


今年は1/700艦船模型の製作が多かったのですが、その一方で1/200駆逐艦の製作も
多く、年末には更にもう一隻、陽炎型駆逐艦を製作することになりました。1/200駆逐艦も
かなり作りなれてきたので、効率を重視しつつ、新たな部分に目をつける余裕も生
まれてきました。次回の1/200駆逐艦が2003年度最後の作品となる予定ですので
総決算として恥ずかしくない仕上がりにしたいです。





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