レイナード89D 全日本F3000 ワコール童夢レイナード無限
1989年 ロス・チーバー











ハセガワ 1/24 

「レイナード89D」は、先日完成したマルボロカラーの「ローラT89」と同じ89年式のF3000企画のシャシーで、ローラと同じ英国製で直接のライバルと言える、(当時の)大手シャシーコンストラクターのレイナード社がデリバリーしたマシンです。

ローラ社はF-1への自社参戦をはじめ、ラルースやスクーデリイタリア等のF-1マシンを設計していることが知られていますが、レイナードは無限とブリジストン用のテストカーや、BARのマシン開発を行ったことが知られています。

89年の全日本F3000においては、ローラがコンストラクターズチャンピオンに輝く一方で、国際F3000の方ではレイナードがチャンピオンになっていることからも、両シャシーの実力の伯仲ぶりがうかがえます。(単にローラが日本のサーキット向け、レイナードがヨーロッパのサーキット向けだっただけかもしれませんが)

デザイン的には、ローラがハーフカウルだったのに対して、レイナードはフルカウルであることが特徴で、ノーズデザインはローラがハイノーズであるのに対して、レイナードはローノーズのペンシルタイプです。

今回製作しているのは童夢チームがワコールのスポンサードを受けてエントリーしたマシンで、ドライバーは元F-1ドライバー、エディー・チーバーの弟のロス・チーバーです。

キットのデカールは20年前のキットとあって少々劣化していましたが、ロゴマークを貼る分にはなんとかいけそうなクオリティでしたので、説明書通りのロゴマークをデカール貼付にて再現したのですが、ピンクと赤の模様の部分は使えなかったので、塗装で再現しました。

ワコールのピンクはMrカラーのピンクとマルーンで調色したのですが、デカールのロゴマークと同じ色に落ち着いてくれてほっとしています。赤い部分はマルーンをそのまま塗りました。

このキットはハセガワ製ですので、12月のJMC大阪会場のモデラーズクラブ合同展示会に出展予定です。 





レイナード89Dの全景。先日のローラとの最大の違いは、ローラがハーフカウルだったのに対してレイナードはフルカウルであることです。 キットにはピンクとマルーンのデカールが含まれていましたが、劣化していて使用できなかったので、マスキングして塗り分けました。




塗装順はサーフェーサー→カウル裏側(セミグロスブラック)→ホワイト(GXカラー)→ピンク→マルーン→クリアーの順です。デカールの段差消しのために、クリアーは800番のサンドペーパーで中研ぎを入れつつ、合計8回程度吹き重ねました。 最後は1500番のスポンジ研磨剤とタミヤのコンパウンドを荒目から仕上げ目まで順番にかけて完成です。 エンジン周りはMrカラーとガイアカラーでの仕上げ、シルバー部分には全て艶ありブラックを下地塗装して仕上げました。 画像では分かりにくいですが、エキマニはクリアーオレンジとクリアーブルーで若干の焼け表現を施してあります。



このハセガワのレイナードのキットには、モデラーズのローラのキットと同じく、シートベルトが付属していなかったので、ローラ製作時に購入してあったアクステオンのパーツを余りを使用しました。

ちなみに、今回から作品撮影用のカメラを変更しました。 「その割にこれまでとあまり写真の出来が変わってないんじゃない?」なんておっしゃらないでください(笑) これから撮影技術の習熟に努めて参ります。(技術がなくても色はこれまでより断然正確になったという印象です) 一眼レフはフィルムカメラのみで経験があるのですが、デジタル一眼レフは初めての挑戦になります。 もともとマニュアルフォーカスが好きなので、このようにシート内にピントを合わせるのも簡単になり、それだけでも喜びを感じております。


**総括**


ロス・チーバーと言えば、日本ではトップレーサーとして活躍したイメージがありますが、不思議と全日本F3000とJSPC以外での活躍はあまり印象にありません。 

兄のエディはF-1を引退してからは、アメリカンレースで活躍し、インディ500でのオーナー兼ドライバー優勝を成し遂げた他、ベテランになってからもトーマス・シェクターの教育係のようなイメージで(たまに教え子にぶつけられたりしならがらも)インディードライバーを代表する一人という印象がありましたが、ロスの方は日本を出てからのレースキャリアは分からず、また、この兄弟が一緒にいるところも見たことがありません(ひょっとしてあまり仲が良くないのでしょうか?)

いずれにしても、日本を余り好きではなかったようで、少々プライドの高そうなルックスと言動で、他の外国人レーサーと比べてあまり人気を得る事はできなかったようです。

話はそれましたが、このキットは友人のとみたけさんから提供して頂いたもので、HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!でのF3000の作例としては、前回のローラT89(モデラーズ)に続いて2作目となります。

モデラーズのローラT89と比較すると、同一縮尺ながら、ハセガワのレイナード89Dの方が、ホイールベースはかなり長めでした。 また、無限エンジンはハセガワの方が大きめで、英国モータースポーツ界が誇る、2大シャシーコンストラクターの実車比較という意味でも、国内プラモデルメーカーのキット設計の比較という意味でも、今回は楽しい製作となりました。

キットを提供していただいた、とみたけさんに感謝です。

しかしアレですね、今頃、1989年当時の全日本F3000のマシンを2台製作して比較しているモデラーって、全国に何人いるんでしょうね?(笑)



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