ドイツレベル 1/400客船クイーンメリー2
REVELL 1/400
この作品は、艦船模型製作代行のご依頼を受けて製作したものです。
クイーンメリー2の実船は、全長約345m、総トン数およそ150,000トンという壮大なもので、私も大阪港で一度、実船を見ているのですが、その威容には圧倒されるばかりでした。
この時の感動が忘れられず、個人的にも一度製作に挑戦したいと思っていた船ですが、2013年、実船にご乗船されたお客様からの製作代行という形で製作の機会が巡ってきましたので、世界一の豪華客船でもある実船への敬意を込めつつ、精一杯、製作をさせて頂きました。
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1/400クイーンメリー2全景。今回はお客様のご希望もあって、エッチングパーツなどは一切使用せず、全てキットに付属するパーツのみで仕上げています。ドイツレベルの1/400クイーンメリー2は、プラパーツで手すりなども含まれているので、説明書通りに塗装して組み立てるだけでも、充分な迫力が楽しめます。
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後部からの全景。階段状の後部デッキは、先代クイーンエリザベス2から受け継がれたデザインのようで、遊泳場や一部がガラス張りの側壁も似たデザインに
仕上がっています。
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ドイツレベル製1/400クイーンメリー2、右舷及び左舷よりの全景です。船体と上部構造物のメインを占める白塗装は、発色が軽くならないように、下地にオキサイドレッド(赤茶色)のサーフェーサーを吹き付けた上で行いました。結果、白成形のプラスチックに直接白を吹いたときのような透け感がなく、ズーンと重い発色に仕上がっています。使用した塗料は、下地、上塗りともにガイアノーツのガイアカラーで揃えています。
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ドイツレベル1/400クイーンメリー2。船首部のアップです。船橋基部正面は、複雑な三次元形状でみっつにパーツ分割されていたので、合わせ目の処理に苦労しました。
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船体中央部の様子。客室のバルコニーは、床面を全てマスキングしてエアブラシで塗り分けました。手すりはクリアーパーツでしたので、ひとつひとつマスキングして柱(黒)と横桁(茶)のふち取りをしました。ボートは、それぞれ割り当てられた番号をデカールで貼り付けるように指定されていたので、一艘ずつ貼り付け、説明書に書かれている順番通りに配置しました。
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船体後部の様子。同じキュナードラインの二代目クイーンエリザ別をはじめ、近年のクルーズ客船では(客室数を稼ぐためか?)船体後部はおおかた絶壁状になっていることが多いですが、古式床敷階段状のデッキが、この船の美しさを際立たせている気がします。
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再び船首部分のクローズアップです。プラ製の手すりはバリから掘り出すのが大変でしたが、エッチングには出せない丸断面形状ですので、ある意味実感的という気がしました。 船橋基部に見える扇形の物体は、予備用のスクリュープロペラです。
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船体中央部。バルコニー床面、そしてクリアーパーツの手すりと、この部分はとにかくマスキングが大変でした。各窓には裏側から透明プラ板を貼り付け、裏面を黒塗装して内部の空洞が見えないように処理しました。 結果、模型的な軽さがなくなり、満足しています。
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上空から先取を見た様子。各種スポーツ用の設備とヘリポートが目立ちます。デッキ13の手すりはクリアーパーツで背も高く、目立つ部分だけに、塗り分け甲斐がありました。
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客室バルコニーとボートの様子。こうして見ると、マンションかホテルのようですね。舷側部にも3フロアにわたってバルコニー付きの客室がありますが、もちろん、これらのバルコニーの床面も全て塗り分けました(残念ながら、写真では全くわかりません【笑】)
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実船を岸壁から眺めると、このように見えます。船橋両脇の後部にある黒い縦長の部分はエレベーターです。この部分も、内部の空洞が見えると実感を損なうので、クリアーパーツの裏側から黒で塗装しました。
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階段状の船尾。側壁のクリアーパーツの部分は、一部が吹きさらしで一部が密閉式となっているので、密閉式の部分のみ裏側から黒を塗装しました。スクリューはポット式の電気推進で、実船ではガスタービンとディーゼルの併用で発電を行っているようです。
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非常に巨大なキットですが、少しも大味になることなく、美しくまとまってくれました。キットの設計の良さはもちろん、実船のデザインの良さが根底にあることは間違いないでしょう。自分で作った作品ながら、見れば見るほどに、本当に惚れ惚れしてしまいます。
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**総括**
ドイツレベルの1/400クイーンメリー2は、堂々たる15万トンの威容を余すことなく再現してくれます。
これまで、数々の艦船模型を製作して来ましたが、素組(←手を加えたのは窓のプラ板貼り付けのみ)でここまで魅力的な完成品に仕上がった作品は初めてで、完成したときには本当に心から感動しました。今回は、お客様からの艦船模型製作代行のご依頼という形で製作をさせていただきましたが、このような機会に恵まれたことを感謝しています。 いつかは、自分用にもぜひ製作したいという気持ちを新たにしたので、近いうちにキットを確保しておこうと思います。
↑この写真は、私が2011年3月10日に大阪港で撮影したものです。翌日に東日本大震災が発生し、アップの機会を逃しておりましたが、今回、模型と一緒に公開する機会が巡って来たことを嬉しく思います。(岸壁に停車しているツアーバスの大きさを見れば、いかに巨大な船体かわかりますね)
また、これからも機会があれば、ぜひ実船を見に行きたいです。そして、いつかはこのような素晴らしい豪華客船に乗船できるような身分になってみたいと夢見つつ、日々、生活を仕事を頑張って行こうと思います(笑)
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