1/700スケール 航空母艦 瑞鶴 1944年エンガノ沖海戦時
TAMIYA製インジェクションキット













タミヤ 1/700

航空母艦瑞鶴は昭和13年5月、神戸の川崎重工にて起工され、昭和16年9月に竣工し
ました。基準排水量は25675トン、160000馬力という日本艦としては最高の出力と水中で
の抵抗を最小限に抑えた船体構造で43ノットの高速力と優れた機動性を発揮し、工程
は大和型戦艦の10万以上も多かったといわれてます。

搭載機は84機、戦艦から設計変更された赤城や加賀、そして条約型航空母艦として設
計された蒼龍や飛龍などと比較して性能のバランスがとれた理想的な空母といわれ、当
時の世界的な基準からみても最高レベルの強力な空母として誕生しました。

竣工後の瑞鶴は第五航空戦隊に編入され、12月8日の真珠湾攻撃作戦に参加、年が明
けて17年4月のセイロン沖海戦では瑞鶴を発艦した攻撃隊は姉妹艦翔鶴の攻撃隊ととも
に英空母ハーミスを空襲し、撃沈します。

続く珊瑚海海戦は機動部隊同士の史上初の海戦となったわけですが、この戦いで瑞鶴
を中心とする第五航空戦隊は米空母レキシントンを撃沈、ヨークタウンを大破させるという
戦果をあげます。しかし、この戦いにおいて翔鶴は米艦上機から命中弾を受け、飛行甲
板を大破しました。瑞鶴は被害を免れたのですが、第五航空戦隊はこの被害をきっかけ
に一度戦線を離れることになりました。

その後、ミッドウェー海戦の敗戦があり、赤城、加賀、蒼龍、飛龍を失ったことをうけて、正
規空母瑞鶴の存在は日本海軍機動部隊の中心的存在となりました。対空レーダーなどの
新装備も優先的に配備され、戦線に復帰した翔鶴とともに第二次ソロモン海戦、南太平洋
海戦と転戦しました。

これらの海戦を転戦する中で、日本空母の中では唯一といっていい無傷での戦いを続け
ていた瑞鶴ですが、昭和19年6月のマリアナ沖海戦にて爆弾一発を被弾、同海戦では
翔鶴も撃沈され、日本軍は敗戦の色が濃厚となりました。

そして昭和19年10月、フィリピン島レイテ湾に上陸しよう大部隊を繰り出した米軍に対し、
日本海軍連合艦隊は戦艦大和、武蔵など残存艦艇の総力を結集して最後の艦隊決戦
を挑みます。 そのために立てられた作戦は、瑞鶴ら空母郡を中心とした小沢治三郎提
督率いる艦隊を「囮」としてフェリピンに向かわせて米機動部隊をレイテ湾の北におびき
だし、守りの手薄となったレイテ湾の輸送船団および陸上部隊に向けて、大和、武蔵の
46cm主砲の艦砲射撃を浴びせるというものでした。万が一成功すれば、連合軍に降伏
  するにせよ、より有利な条件での和睦ができるという判断から立てられた計画でした。

しかし小沢艦隊の搭載機はわずかしかそろわず、大和武蔵を中心とした栗田提督率い
る艦隊も上空での援護を望めないという絶望的な状態の中、瑞鶴は上空からの攻撃お
よび敵潜水艦からの攻撃にそなえて迷彩塗装を施し、28連想噴進砲などの対空装備を
強化してレイテ湾に突入、見事に米機動部隊のおびきよせに成功しました。

しかし、レイテ湾に突入するはずの栗田艦隊はなぜか反転し、作戦の失敗を知らない
まま戦い続けた瑞鶴は魚雷8本、爆弾7発の命中弾を受け、壮絶な最期を遂げました。

この悲しい戦いは、東宝映画『連合艦隊』で描かれている有名な場面で、戦争映画ファ
ンの方々の中には記憶されている方も多いと思います。


今回製作した瑞鶴は1/700ウォーターラインシリーズのタミヤキットをストレートに組み、
ディティールの追加を行ったものです。このサイトのディティールアップには空母ディテ
ィールアップではおなじみのゴールドメダルモデルズのパーツを中心に使用、そして
機銃類もおなじみのピットロード製の2psタイプの立体的な機銃に交換しました。

エンガノ沖海戦とはレイテ湾の米機動部隊をおびきよせた際の囮作戦の際に起こった海
戦のことで、迷彩塗装が施された瑞鶴最後の姿を再現しています。



外舷色は日本空母迷彩色を正確に再現するため、GSIクレオスの日本空母迷彩色セッ
トから外舷1号色と外舷2号色という濃淡のグリーンを使用、飛行甲板の迷彩には諸説
あるため、タミヤキットのカラーガイドにそった迷彩としました。

他に、飛行甲板には遮風柵の前方に輸送船の貨物ハッチを模した『目』の字ににたパ
ターンが描かれていたという説もあり、そういったパターンを再現するモデラーさんもおら
れます。



キットのプロポーションはとても良いので迷彩パターンにさえ気をつければ比較的容易
に最終時の瑞鶴を再現することが可能です。僕が小学生だった頃には瑞鶴はまだフジミ
の不完全なキットしかなく、年代設定もマリアナ沖海戦時(?)だったため、機銃を他のキ
ットからトレードして艦橋の前後に装備し、迷彩を施してエンガノ仕様にしたものでした。 

タミヤのキットでは開戦時の設定となる翔鶴より瑞鶴のほうが後期型装備のパーツがすこ
し増えているだけですので、飛行甲板のマーキングさえ工夫すれば、瑞鶴のキット使用
でほぼ全ての年代の翔鶴型航空母艦が製作できると思います。



今回も汚し塗装を全体的に施しました。フデ塗りの部分とエアブラシによる吹きつけを両
方行うわけなのですが、バランスをとるのがなかなか難しいです。1/700くらいの模型の
場合はあまり汚しすぎるとみすぼらしくなってしまうので、加減が重要ですね。



姉妹艦翔鶴(開戦時)とのツーショット




**総括**

瑞鶴は小学生の時に映画『連合艦隊』を見て以来思い入れのある艦で、フジミキットの時
にも数回、タミヤキットにリニューアルされてからは2回、そしてNichimoの1/500や30cmシリ
ーズのものも組みました。

エンガノ沖海戦時の状態とするには迷彩をいかに雰囲気よく見せるかがカギですが、各種
資料を持っていない方にもタミヤのカラーガイドは比較的見やすく作ってあるのでマスキン
グさえちゃんとしておけば筆塗りでも雰囲気のある迷彩塗装が楽しめると思います。船体舷
側の塗りワケを行っておくだけでも雰囲気はでますが、先に説明書の組み立て順序を頭
にいれておいて、スポンソンの塗りワケも行っておくとより引き立つことうけあいです。





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