1/700スケール 航空母艦 翔鶴 
TAMIYA製インジェクションキット













タミヤ 1/700

タミヤの1/700翔鶴も、もうこのギャラリーではおなじみになってきましたが、今回は
これまでの真珠湾作戦時の製作例とは異なり、翔鶴最期の戦いとなったマリアナ
沖海戦時の姿を再現しました。

翔鶴のマリアナ沖海戦時の装備は真珠湾作戦時と大きく異なり、船首船尾、アイ
ランド艦橋前後の機銃増備、21号電波探信儀の増備など、基本的に同年代の瑞鶴
と同じ装備が施されています。

ですので今回は翔鶴のキットは使用せずに瑞鶴のキットを流用しての製作となり
ました。このようなキット選択ですと翔鶴用の飛行甲板標示デカール(シの字の艦
名標示など)が使えないのですが、飛行甲板標示は最近では塗装での再現がメイ
ンなのでこれは問題にはなりませんでした。

今回のマリアナ沖海戦時の考証に合わせた翔鶴製作のポイントは以下のとおりです。


@瑞鶴キットを使用し、開戦時の標準塗装を施す
A艦橋前後と船首、船尾の機増備(瑞鶴キットパーツ使用)
B21号電探装備(瑞鶴キットパーツからブルワークを、電探本体はエッチング使用)
C噴進砲なし(カットなどの必要ななく、取り付けないだけでOK)
D艦橋前後の機銃ブルワーク再現(ピットロード武器セットから流用)
E艦上機はキットに付属の日本海軍機後期型を使用

これから翔鶴を製作される方は参考にしてみてください。

(上記考証に間違いがあっても自己責任でお願いします。)


***実艦について***

航空母艦翔鶴は、翔鶴型航空母艦の1番艦として1937年12月12日に横須賀海軍
工廠にて起工、1941年8月8日に竣工しました。

この翔鶴型空母は前補充計画にて建造された『蒼龍』『飛龍』の拡大改良型として
設計され、主力艦隊どうしの決戦前に敵空母部隊に先制攻撃を与えることが任務
とされました。

艦橋の配置は当初『飛龍』で行われた左舷中央部の配置で設計がなされていま
したが、『飛龍』の運用上の経験から不具合が問題とされ、従来の日本空母と同じ
右舷前方に改められました。

開戦後は太平洋戦争における日本海軍最初の真珠湾奇襲作戦に参加し、その
後インド洋作戦、史上初の空母対空母の決戦が行われた珊瑚海海戦おいては
米空母レキシントンを撃沈する戦果を上げたものの、翔鶴もまた命中弾を受け
飛行甲板を大破しました。

ミッドウェー海戦後に戦列に復帰した翔鶴は、残された正規空母の1艦として機
動部隊の中核を担い、南太平洋海戦などに出撃したものの、マリアナ沖海戦に
て米潜水艦の雷撃を受け、あえなく沈没しました。

太平洋戦争において供に期待された瑞鶴が常に武運に恵まれた艦であったこと
とは対照的に、翔鶴は常に被害担当艦という不運に見舞われることになりました。



***キット、組みたて、ディティールアップについて***

キットは最初に記載したように翔鶴のキットではなく、後期型の装備パーツが含ま
れる姉妹艦瑞鶴のキットを使用しました。

ディティールアップにはエッチングパーツにエヂュアルドのものをチョイスして遮風
柵を立てた状態にセット。手摺はゴールドメダル製のパーツを使用しました。

機銃はいつもどおりピットロードの2psのものに交換し、キットでは省略されている艦
橋前後の機銃ブルワークを同じくピットロードの装備セットから流用しました。

船体は舷窓をピンバイスでさらいなおし、バリをとるなどの基本的作業を施します。



艦橋窓枠はジョーワールドのエッチングパーツで、その他汎用メッシュパーツも使
用し、転落防止ネットの再現に使用しました。



煙突出口フィンの再現はエデュアルドの翔鶴専用エッチングパーツによるものです。

***艦上機について***

艦上機はキットに付属の後期型の艦載機をひととり搭載しました。艦上機の塗装も
後期型の塗装としてあります。


後期型艦上機は3枚プロペラのものと4枚プロペラのものを区別しました。


***空中線について***

空中線の再現には今回は0、6号釣り糸(太さ0、128mm)を着色して使用
しました。取りつけは全て瞬間接着剤によるものです。

全体を黒に塗装し、空中線基部には白塗装でガイシを表現しました。


***塗装について***

塗装はスケール性を考慮した上で船体やパーツの本塗装の前には塗装後
の塗膜の発色を良くするために、ホワイトサーフェーサーで下地を作った白
たちあげにて塗装しています。

木甲板部分はタンをベースに吹き、マホガニーとクリアーイエローをコートして
木の色調を再現しました。

飛行甲板上の着艦標識は全て塗装によるもので、若干の汚し塗装を加えてあります。


***台座について***

海面のベースはタミヤモデラーズギャラリー特別販売のウェーブボードを使用
し、クリアーブルーをまだらに吹き付けることで透明感のある海面を再現しました。

船体とベースの固定は船底にナットを埋め込み、ボルトを底面から通すことで
行いました。





**総括**

航空母艦翔鶴のマリアナ沖海戦時の作例は意外に少なく、ほとんど見たことがない
といって過言でないほどです。

しかし、迷彩塗装が好みでない場合などは後期型の装備が施され、いかにも新鋭艦
といった風格のある翔鶴の姿はなかなかツボにはまるのではないかと思います。

瑞鶴の素晴らしい活躍の陰で比較的地味な扱いをされがちな翔鶴ですが、こうして
改装後の堂々とした姿を見てみると、当時の日本海軍と国民からむけられた期待の
大きさというものをうかがい知ることができそうです。

これをきっかけに、今後は真珠湾作戦時やエンガノ沖海戦時以外の翔鶴型空母の
製作にもどんどん挑戦していきたいです。





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